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刺繍な毎日

簡単な手術であったし、経過も順調。どうということはないけれど、首に負担がかかるようなことはいけない、美容院も歯医者も一ヶ月くらいは避けた方が、自転車も左右の確認がきちんと取れるまでは・・・あれこれ注意事項があると、なるべく家で静かにしていよう、一番静かな刺繍でも、ということになる。
2年以上も前に取り掛かったものの、放り出してあった「母と娘」(私が勝手に題をつけた)のクロスステッチを再開することにする。

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1センチに6.5目、ちょっと細かい。色は38色くらい。スカートの部分は、かすかに色の違う紺を延々・・・少し飽きていたのよね。始めてみれば面白いんだけど。

クロスステッチというのは図案を写さないでしょ。何もない生地に刺して行くと模様が浮かんでくる。左右上下に刺して行ったものがピタッと合った時の快感。
逆に、どこかで一目でも間違うと、合わなくなって、問題の箇所を探りあて、ほどく羽目になってしまうのだけど。刺繍をほどく、って、刺すより手間がかかる。こんなふうに細かいと、ほどく糸がすっと出てこない。

生地も糸も傷むしね。傷んだ糸は取り替えればいいけど、生地はそうはいかない。だから私は鉛筆で印をつけながら進めていくのだけど、それでもなぜか、あれ?ここ間違っている、ということが、たまにある。
誤魔化すこともあるけれど、こんなふうに大きな図案だと、どこにまた影響するかわからないので、なるべく図案どおりに。
同じ糸で効率よく刺してゆくには、一筆書きのように進めるには・・・図案とにらめっこしてから、次に進む。なぜか、こういうこと、好きみたい。

図案だけ買って、寸法割り出し、布を選び、図案をコピーして色分けしたものから、目数を数え・・・大雑把に色の面積でこのくらいかな、と・・必要な糸の本数を割り出す。有難いことに、500とか1200とか目数入れると必要な刺繍糸の束数を出してくれるサイトがあった。
そんなふうに材料揃えたので、ちょっと愛着もある。飽きた、なんて言わずに、仕上げないとね。
他にも仕上がりを待っている物がいくつもある^^;


刺繍をしながら拓郎のラジオを聴いた。4月22日放送分だ。「至福」というなら、まさにその時。
こんなふうに幸せなひと時を、私は、なぜか、避けていたんだよね。拓郎が一人で語り、好きな曲をかけてくれて・・・そういう番組、ずっと待っていたのに、何が気に入らなかったんだろう。

理由はわかっているんだ。一言で言えば「嫉妬」かな^^
余計なことは考えない。余分なものは切り捨てよう。私がその時、いいと思ったことだけ気持ちに残しておけばいい。ハワイ、拓郎が嬉しそうならいいじゃない。ハワイに思うあれこれ、嫌だったことなんて、どうでもいい。
「メールを待っています」・・・誰が投稿しよと、読まれようと、いいじゃんね。みんなが楽しそうに参加しようと、私がそこから外れていようと、刺繍をしながら拓郎の声を聴く、それで十分。私はこれからも投稿しないだろうし・・・ラジオ主催の小さなライブがあるなら、行きたいけどさ。


「季節の花」に移ったり引用したりしたフレーズもあるというテープをかけてくれていた。
「午前中に・・・」発売当初から、私が一番に「好きだ!」と思っていた「季節の花」。どこかどう繋がるのか、私には一度聴いただけでは、よくわからないけれど、90年?随分前なんだね、拓郎がこういう曲を書いていたことがうれしい。
イラクがクウェート・・・なのにうちの奥さんは寝ている・・・設定が「白い一日」じゃん、と突っ込みたくなったけど。

「季節の花」の最初にヘリコプターが出てくるでしょう。ヘリコプターって、何か平和な日常を打ち破る不穏な雰囲気あるんだよね。例えば、森田芳光監督の映画「家族ゲーム」のように。暗示的な。
もしかしたら、クゥエート繋がりかな、なんて思っちゃった。
「季節の花」の前奏は、私には、少し怖いの・・・。

  また雨が降り また風が吹き
  またウソをつき また夢を見る
  ・・・
  また背伸びして また立ち止まり
  またほほえんで また口ずさむ
  ・・・

口笛を吹きながら小雨の中を歩き出すようなここが勿論好きなんだけど、少し暗い、問題ありげなような初めの演奏も好きなんだ。


で、突然、思いは「06つま恋」に飛ぶ。
あの時、ヘリコプーターが飛んでいたよね。「あ!ヘリコプターだ!」みんなで真っ青な空を眩しく見上げたっけ。
どこまでも青く、どこまでも明るい空に浮かぶヘリコプターは、なんだか嬉しかったよね、誇らしかったよね。私たちは大きな歴史の中にいるんだ。これから行われる大きなイベントの参加者=当事者なんだ、って。
見ていてね。いっぱいニュースで取り上げてね・・・幸せの象徴のようなヘリコプターもあるのでした。

こんなことばかり思っているから、肝心の拓郎のギターの上手さとか、ボーカルの素敵さ、忘れてしまっている^^;

一時間、あっという間だった。
拓郎を聴いてると、昔は手が止まってしまったものだけど、そんなこともなく、刺繍ははかどり、サラサラと放送聴いた。番組が終わって、訪れる静寂に、なぜかホッとする。寂しいのでなく、ホッ。
休憩に下に降りてゆき、テレビをつけて、コーヒーを飲み、お菓子を一つ。
さー、もう少し刺繍しようかな。また部屋に戻る。29日の放送も聴こうか。

コンサートの終わりに「夏の日の恋」がかかるようになったのは、いつの頃からだったんだろう。あれがかかると、帰らなきゃ、と思う。じっくり聴くなんてことできないよ。「客出し」だもの、座って聞いていようものなら、叱られそう。
急いで席を立ち、後ろ髪を引かれつつ、速走で会場を後にする。
「06つま恋」でも、「夏の日の恋」をかけたかった・・・わかるのだけど、吉田拓郎とかぐや姫のコンサートだったんだもの、仕方ないじゃん、と思ってしまう。拓郎の思い描くものとは違ってしまった部分もあるかもしれないけど、いいコンサートだったもの。
いつかまた野外で、「夏の日の恋」を聴く日が来るのかどうかはわからないけど、夢として待っていよう。

ビリーヴォーン・オーケストラ、単純に懐かしい!
子供の頃、家に、幌馬車の置物があったのね。木彫りで、幌の部分は革みたいな布だったかな。狭いリビングに作られていたインチキ暖炉。周りはタイル張りで、くり抜かれた中にはガスストーブが入っていた。上は飾り物を置く台になっていて、お人形とか、その幌馬車とか。母のことだからそのうち雑誌だの、頂き物のお菓子だの置くようになってしまうんだけど。
その幌馬車は、オルゴールになっていて、曲は「峠の幌馬車」・・ではなかったっけ。話、出来過ぎか。
「星を求めて」も、なんだか懐かしい。インストが流行っていた、という拓郎の話はよくわかる。少し後の時代だけど、ポールモーリアなんか、ヒットチャート賑わしていて、よく聴いた。


まー、こうやって聴けばいいんじゃない?
思うこと。「聴く前に読むのはやめよう!」

デモテープは、嬉しいのかもしれないけど、私は、そんなに欲しくない。終活みたいなこと、望んでいない。くれるなら、血気盛んだった頃に欲しかったなぁ。

これを、どこに書こうか迷ったけど、メインは刺繍だもの、こっちにした。
刺繍をし過ぎると、目も肩も疲れて、吐き気がする時ある。そこまでやらなくても、と思うけど、「やめられない、止まらない」
明日は、久しぶりの体操サークルだ。

お通夜に行った

お通夜に行ってきた。弟のお嫁さんのお父さん。
たまたま先日、弟と会って、お嫁さんのクミちゃん交えて、思い出話に花を咲かせていた。その三日後の訃報。不思議なもので、人はそんなふうに、間際に思い出を引っ張り出してゆく。

子供たちが小さかった頃、姉の子も混じえて、鎌倉の家に呼んで頂いたことがある。腰越の海で遊び、夕方のバーベキューと、スイカ、花火。絵に描いたような夏休みのひと時だった。
結婚したばかりの娘の連れ合いの姉たち。「よろしく頼みます」というお気持ちもあったのでしょう。丁寧にもてなして下さった。
小さい子が騒ぐのにも嫌な顔一つせず、優しく歓待してくださるお父様だった。お休みだった広い工場で、かくれんぼをして遊ばせてもらったこと、子供たちは覚えているかしら?

クミちゃんは、身長170センチもあるスラリとした美人さんだ。今時は、170センチも珍しくないけれど、あの頃、チビ揃いの母達には、ため息が出るほどだったのよね。結婚式、文金高島田、弟も小柄の方ではないけれど、頭を越してしまうほどの高さになってしまって、「綺麗!」という声より「大きいね」という声のほうが多いようだったのは、可哀想だったな。

披露宴で、お兄さんが「妹に捧げる歌」というのを作り、弟さんのギターで歌うのは、感動もので拍手喝采だった。
新郎側としても何かしなくては・・・我が実家には、そんな芸達者などいない。で、急遽白羽の矢が立ったのが、私の夫だった。
一応社会人だもの、断って場を白けさせるようなことはしない。マイクを持って歌い始めた・・・何を考えたのか、え?谷村新司の「昴」!??

♪あぁ 砕け散る宿命の星たちよ
♪せめて鮮やかにその身を終われよ

あのさ、お祝いの席なんだよ。
本人も、歌っていて、まずいと思ったのか、汗だくで、どうにか歌い終わり・・・、以来、我が実家では、夫の前では「昴」は禁句となった。
せめて、「結婚しようよ」くらい歌えなかったんだろうか。


お通夜だというのに、姉、私、妹が揃うと、どうしても賑やかになってしまう。受付で、久しぶりに弟の子供たちに会って、感動のご対面のような挨拶をし、初めて見る弟の孫に、「わー、そっくり!」と声を上げ、不謹慎でごめんなさい。
ただ、すっかり白髪になったクミちゃんのお母さんが、私達3人が並んでお焼香するのを見て、少しうれしそうに頭を下げてくれたのに、私は気づいた。いろいろな事情もあり、心配もしていたのでしょう。決して楽ではない生活、胸を痛めることも多かったに違いない。
大丈夫、私達三人は・・・妹は決別するような形で家を出てしまったけど・・・ちゃんと、クミちゃんを大事に思っているよ。

お葬式に行く。それは、義理でもなんでもなく、残された者達が、心に火を灯すためなのだと思う。

弟の娘、つまり姪は、もう10何年も会っていなかったのだと思う。「電話の声が、ちっちゃい姉ちゃんそっくりなんだよ」と苦笑していたけれど(悪かったわね!)、実際会ったら、私に少し似ていた・・・


それにしても大船駅!40年ぶりに降り立った大船は、別世界に迷い込んだのかと思うほど、大きくなっていた。ルミネがある!昔は、駅の売店で、鯵の押し寿司「あじさい弁当」くらいしか売っていなかった。
結婚して、夫と住んだ大船は、反対側、観音様の方だったけど・・・何があったんだろう。まだ小さかった長男と、駅でひと休憩するハンバーガー店、「ドムドム」という名前で、マイナーだったなぁ・・・
「大船は東海道線、横須賀線、両方止まるんだ」というのが、夫の自慢だったけど、なに、あのホームの数!どこから乗っていいのかわからないじゃないの。

だからどうということは

甲状腺の奥に副甲状腺という米粒の半分位の小さな器官がある。その一つが腫れているそうな。
術後の定期検診でお世話になっている医師が、血液検査から見つけてくれた。内科に回され、副甲状腺亢進症という病名がつく。
薬等では治療できず、完治には手術しかないということで、某超有名な専門病院に紹介された。
怠い、疲れやすい、カルシュウムをコントロールする器官なので、骨折しやすくなる、結石もできやすい・・・以前なら、「老化」で片付けられた病気とも言えない病気だ。医療が進み、検査で見つかることが多くなったのですよね。

その「とっても混んでいる病院」は、評判だけのことはある、と受診して感じた。待ち時間はとっても長いけど、だいたいの目安は教えてもらえるし、携帯でもわかる。その間、どこに行こうと食事をしようと勝手にできる。表参道だから、散歩に行く場所には事欠かない^^
患者が多い分、職員さんも多い。にこやかにテキパキとよく訓練されてるなぁ、と感心するし、担当の女性医師の説明は細かく丁寧で、気持ちいい。
3度目の受診は、途中休憩を挟んで3時間にも及ぶアイソトープがあったけど、検査が終わって、もう一度診察に戻ったら、大勢の患者さんが待つ中、すぐに呼んでくれて、「長い検査、お疲れ様でした」・・・医師からそういう言葉をかけてもらったことは、ないような。
で、経過観察するには、カルシュウム値が高く、骨密度も下がってきている、その原因も特定できているので、やはり取りましょう。手術ということになった。

放っておいてもいいような気がするけど・・・今すぐどうということもないのだし、誰だって年取れば、体力も落ち、骨も弱くなる、でも・・・ここまで来て、治療しません、というわけにもいかないし、転んで骨折でもしたら寝たきりの第一歩だ、子供たちに迷惑をかけるわけにはいかない。出来ることはしておかないとダメだよね。

簡単な手術なのかもしれない。けど、喉って嫌よね。一応全身麻酔らしい。嫌だな。麻酔から醒めたあと、ボケたらどうしよう。何もしたくないな。面倒だな。静かにしていたい。
医療費も馬鹿にならないんだ。市民病院での外科、内科、ここでの再検査、血液だのエコーだの、3回も同じような検査を受けた。今回は、アイソトープだけで、2万なにがしかも払った。国や市から様々な補助があるのはわかっているけれど。
入院係さんが、私の生まれ年を見て、親切にも、「70歳になるまで待てば、費用も安くなりますよ」・・・でも、私11月なんです。丸一年もある。これが、2,3ヶ月の違いというなら待ちますが。

第一、その日の入院・手術になったのは、先生の取り計らいもある。一般病室は7月まで空かないというのを、春までにはという要望を出してくれて、「枠」を使うことになったのだとか。手術まで間が開くけど、急に数値が上がることもあるので、受診は毎月して下さい、とも言われている。
なのに、安くなるから一年後にしてください、なんて言えるわけないじゃん。

というわけで、4月半ばに入院・手術です。
楽しみにしていた「遠くのお花見」は、パス。
拓郎のツアーがあったとしても、4月じゃまだ始まらないだろう、というのが救いかも。

子供たちにLINEをしたら、今からその日に休みの申請しておく、とか、娘は一人で上京する口実になるから行くよ、とか・・・世話をかけて、ごめんね。
このまま何もせずにいたい、とか、貯金が減るとか、そんなこと言えるわけもない。「お世話になります」と言うだけだ。
愚痴は、ここでこぼすしか。

子供に弱音を吐かないのも、主婦の仕事じゃん。
洗濯物がどうだの、掃除、料理だの、女の役目はそういうことじゃない。家にいる女は泣いちゃいけない、家事よりも大切なことだ・・・・ま、ヒスはよく起こしたけどね。

ほんとは、お花見のこと書きたかったんだけど。明日にしましょ。

その4 またね。熊本。

朝食は、ちょっと豪華にホテルのモーニングブッフェだ。
普段朝は、コーヒーとパンで済ませるのに、どうして旅先では、ご飯を食べてしまうのでしょう^^

今は、どこのホテルでも朝食はバイキングというところが多いけど、ここは一味違うのかも。
地元の特産品が並ぶがコーナーある。
なるべく地元のものを食べていこうと思うのに、フレンチトーストに目がいってしまう。パンも美味しそうだ。パンなんかさ、どこでも食べられるんだからよしときなさい。
まずは、和食で行こう。あれもこれも、一口ずつ。だご汁は、味噌味で、だごは、ころんと丸かった。味噌汁代わり。やっぱり牛乳も飲まなくちゃ。高菜も食べなくちゃ。辛子蓮根やぐるぐるを、もう一度。お魚も美味しかった。
通りの見えるカウンター。今日もお天気良さそうね。
食後に、コーヒーと、ヨーグルトと、もう一度山盛りの生野菜と・・・やっぱりフレンチトーストを食べてしまったT_T

胃の手術をしたあと、ランチバイキングに行くことがあったのです。まだ食事制限があった頃で、たくさん食べられないのに・・・と思ったけれど、むしろバイキングの方が、合っていること発見!
食べられるものを、食べられるだけ、マイペースで食べればいい。まだOKの出ていない食品は取らなければいいのだし、残してごめんなさい、ということもない。
食べるのが遅くて、困らせることもない。元を取ろうなんて考えないからさ^^
市内に、時間制限もなく、3時過ぎまでずっとお喋りしていられるシティホテルのランチバイキングというのがあって、お客はおばさんばっかりなのだけど、友人と会うときは、そこに行っていた。
今は、普通になんでも食べられるから・・・量を多く取れないのは、年のせいT_T
別の意味で、こういう素敵なホテルのブッフェは、気持ちが豊かになって、うれしい。

市電は、どっち方面に乗るのか、確かめておいたのだけど、一応、駅に行くのは、どっちに乗ったらいいですか?と、チェックアウトの時に聞く。これも会話、挨拶だわさ。
市電は、何とも言えず、旅に来た!という情緒感でいっぱい。「花畑」は、はなばた、と読むんだ。
(後で、娘に、あなたのところは「おはなばたけ」だったよね、と言ったら、「はなばたけ!お花畑じゃ、おめでたすぎるでしょう」と言われた^^;)
「慶徳校前」。。慶徳高校という高校があるんだ、と思い込んだら、小学校なのですって。「祇園橋」。。なんで祇園なんだろう。どうでもいいことをボーっと考えていたら、熊本駅。
駅は、昔ながらの駅、とう感じで、ん?新幹線も通ってるのに?・・・在来線側と新幹線側があるのですね。新幹線側は、さすがに近代的だった。

掛川駅もそうでしたよね。新幹線で降りて、私たちは、わざわざ通路くぐって、在来線側に行き、写真を撮ったものでした。
私は、掛川にはバイバイしたから。拓郎ライブでもなければ。

九州新幹線は、あえて「つばめ」にしました。熊本始発だったから。「さくら」より時間がかかるけど、ほんの少しの時間だもの。
「つばめ」にした、と娘に言ったら「椅子ふかふかだよ」・・そうなの?始発の方が熊本っぽいかな、と決めただけなんだけど。
乗ったらわかった。

今人気の豪華列車には届かないけど、特別仕様なのですね。新幹線じゃないみたい・・座席も2つ2つだ。
座り心地も良く、ゆったりできる。

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結構混んでいた。人のない場所探して撮ったので、中途半端な写真になってしまった。


車内にあった情報誌に、「古町と新町」という特集が載っていた。
さっき通った「慶徳校前」で降りたら、「古町」に行けたんだ。少し歩けば「新町」。
写真にはレトロでモダンな店が並ぶ。そのお店でお酒を買いたい、そこの居酒屋で飲んでみたい。(お酒ばっかT_T)
その書店で本を選び、お茶を飲みたい。川、見たいね。洗馬橋・・・センバヤマにはタヌキがおってさ・・・センバって、こう書くんだ。馬を洗う、か。千の婆さんじゃなかったT_T

その城下町のことは、教えて頂いていたのだけど、時間がなかった。
今度、行きたいな。また熊本に来なくっちゃ。娘達が九州にいるうち・・・いつまで九州にいられるのかなぁ、あの子達。


改札で、娘達が待っていてくれた。
そのまま夕食の買い物をして、お昼に行く。
すぐ近くのうどん屋さん。タモリさんも言っていたけど、福岡のうどんは柔らかい。
讃岐うどんに慣れた孫は、初めて食べたとき「なんだ!これ!」と言ったそうだけど、今では、その「なんだ、これ」が、
すっかりお気に入り。
私も、もう一度食べたかった。ごぼ天入の、柔らかいうどん。お昼は、それがいい、とリクエストしておいたんだ。

夕食は、孫たちのリクエストでカレーライス。
おばあちゃんのご飯が美味しいと言っていた孫たちも、お母さんの料理が一番、に変わってきている。
娘に、カレー、作らせた。せめてものフルーツいっぱいの豪華サラダは、私が作る。
「いってらっしゃい!」「ドリカムがんばってねー」・・・もうみんな大きい。泣くこともなく、お父さんお母さんを送り出す。ドリカムの何を頑張るんだか。

親がいなけりゃ、子供はいい子だ。パクパクとカレーをきれいに平らげ、たくさんお話をしてくれて、粘土で遊び、折り紙をして・・・首の三つある鶴、というのに挑戦したけど、折り方の図だけではよく分からず、私は途中でリタイア。5年生の孫(女の子)は、ああでもあない、こうでもない、と折ってみて、出来た!折り紙でも孫に敵わなくなった。パズルでも敵わないけどね。
後半は、手抜きで、テレビの録画を見せ、私は、読み止しの本を読む。平和だ・・・

その3

ホテルにチェックインするまでの間、少しあたりを散策してみよう。
「上通」、何が違うのだろう。落ち着いた感じがするのは。あ、足元!中央に濃い茶色の細長いタイルが並んで、周りに薄めの茶色。ホテルの廊下のような?写真も撮らず、記憶もぼんやりだから、説明できないけど、なにかシックなのでした。両側に並ぶお店も、賑々しさがないのですね。さっき行った「下通」の方が、日常的なような。

昔好きだった某商店街は、今は、ファーストフードやチェーン店の賑々しい看板が並び、まだ残っていると安心していた店も、いつの間にか姿を消し、ブームの店には、長い行列・・・私などが行くところではないな、と、たまに都心に出ても足を向けることはなくなった。
私の生まれ育った小さな駅の商店街も、代が変わればビルになり、お菓子屋さんもお茶屋さんも、パン屋さんも、皆、後を継がなかったから、1階は貸店舗。行ったって、そう懐かしくは・・・かくいう私の実家も、上を住まいにして、1階は美容院が入っているんだけどね。
勿論、熊本の商店街も中に回れば、様々な事情を抱えているのだろうけど、地方の中心都市のアーケードって、一極集中!みたいなところ、あるじゃない?それが、決して観光客目当てではない、揺るがない佇まいを保っているのは、すごいことだと思う。

一本横の「上乃裏通り」というのも歩いてみる。
若い人がやっている面白い店もあるそうな。安売りワゴンの中に、可愛いブラウスを見つける。買っちゃおうかな・・・。待てよ。旅行の目的が違う。
この前娘に、買ったけどやっぱり私には若すぎるからあげる、とTシャツを送ったら、「もう○○才なんですから、考えて買いなよ」と言われたばかりだし^^;でも、何か掘り出し物があるかもしれないと引っ掻き回していたら、お店の人が出てきたT_T引っ込みがつかなくなって、お店の中にいれてもらう。
アクセサリーや置物や・・・伸びるビニール紐のようなもので編んだ指輪があった。50円!これ、孫のお土産にしちゃおう。ふと横を見ると、3センチほどの小さなフクロウの置物が目に付いた。5体あって、一つ一つ表情が違う。これ、「夫のふくろうコレクション」の仲間にしよう。一番可愛いのを、ひとつ選んだ。
フクロウ見ると、すぐ買っちゃって。「フクロウお好きなんですか。私も大好きです。」しばし、ふくろう談義に花が咲く。「フクロウを腕に乗せてもらったことあるんです。こんな革の防具を腕につけて」←お店の人。怖くなかったですか?私は、夫が・・・だから、私、おしゃべりじゃないってばT_T

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 家に帰って、出して見たら、
 そんなに可愛くなかった。
 どこの国の物なのか、聞いたけど、忘れた^^;


ホテルの部屋に入って、まずすることは、スマホの充電^^; 大丈夫、ちゃんと充電されている。100均も捨てたもんじゃない。
今日の夕食は、友人がお店を予約してくれている。何品か料理の注文もしてくれているらしい。行くのは私一人だけどね^^
その前に、熊本城見てこなくては。
一時間あれば、行って帰って来られるかな。一時間半あれば十分よね。

なんだって行き当たりばったりの私も、ちゃんと時間見て、計算して行動することが多くなっているのです。環境の変化もあるし、年のせいもあるし。
それに、旅行は計画しているのが楽しい、というところもあるよね。行きたい場所をピックアップして、電車やバスを調べ、地図に印を付け、どこにどうやって行こう。こうやって回れば、こことあそこに行けるかな。一日に数本のバスを待つのも、予定のうち。それに、どうせ私は一人。ツアーで知らない人と回るのは面倒くさい。今は、おひとり様歓迎のツアーもあるようだけど、そうまでして見たい名所旧跡あるでなし。

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今回は、「熊本用ノート」を作り、日程を書き込んだり、時刻表、地図を印刷してベタベタ貼ってみたのです。
カバーをつけたら、2mmのボール紙を使ったので、程よい台代わりになり、メモするにもしっか書けて便利でした。今度拓郎のライブがあったら、これでメモしてみちゃったりして。

CacampusノートのB6(128×182)を入れ替えできるようにした。栞紐に、刺繍糸を撚って、タッセル作って。我ながら良く出来た!地味だけどね。

スマホの地図を見ながら歩くの、苦手なんです。スマホの画面と体の向きが同じにならなくて、逆か、と向きを変えると、スマホの方も回っちゃって、すごーく遠回りのルートが出てきたり。
これ、監獄のお姫様で、「馬場かよ」がやってたよね^^;
監獄のお姫様、録画して見ているのです。愛子さん出ているからじゃないよ。拓郎が好きなものはなんでも好き、と言ったって、近頃の拓郎の「愛子さん話」にはついていけない・・

というわけで、ノート持参で地図を見ながら行った。
熊本城って、こんな近くにあるんですね。バスを降りたときも、前方に見えていたけれど。
ここは、ほんとの城下町なんですね。だから、街が大人の感じもするのかな。
今は熊本城も修復工事中で、中に入れないから、加藤神社から、その様子を眺めます。神社までは、ゆるい坂道を登ってゆく。あたりは、とっても落ち着いた雰囲気で、例えは悪いけど、東京の高級な住宅街の坂を登っている感じ。こんなに広いんだ・・・ぐるっと周りを巡っていると、改めて、その大きさを感じます。
今まで、旅先でお城があれば、当たり前のように行っていたけれど、こんなに静かにお城の存在を感じたのは初めてです。
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降りてきて、市電が通るのを眺める。賑やかです。明日は、あの市電に乗って駅まで行くのです。
芝生になってるところは、電停なのかと思っていたら、違うんですね。道路の真ん中、ここを市電が通るんですよ、という印になって、自然の緑がいい感じ。
高知、長崎、広島・・・私が路面電車に乗ったのは、西の方ばかり。
子供の頃、オリンピックまでは「都電」があったけど、私には縁がなく、たまに友達の家に行くのに乗ろうとすると、どこから乗っていいのかわからず、まごまごしてた。降りるときも、車ビュンビュンで、上手く渡れない^^; 流れる道路での真ん中で、島に取り残されるドジみたいだった。

ホテルに戻り、少し休んで着替えます。
私のお洒落なんて、たかがしれているけれど。一人で食事するだけなのだし。でも一応・・・赤いにしようかグレーにしようか、少し迷って、大人しく見えるようグレーを持った来たんだ。もしかしたら昼間の服、スニーカーのままでもよかったのかもしれないけど、変なのが来た!と思われても困るから、無難で行こう、と思ったの。
店主さんが、カウンターの端から二番目の席にを勧めて下さった。今の私には飲みきれないのをわかって、「生」を注文する。まずは生ビールが美味しいよね^^

「辛子蓮根とグルグル」
辛子蓮根、中の辛子が、まだほんのりと暖かく、柔らかくて、とっても美味しかった。辛子蓮根て、ほんとは、こういうのだ・・・

プロの料理人さんの前では、恥ずかしくて、とても言えなかったけれど、昔、辛子蓮根を作ったことがあるのです。40年以上も前。
まだ情報も行き届かず流通も発達していなかった時代です。熊本には、カラシレンコンというのがあるらしい。美味しいのかな。味、見当がつきませんでした。ある日、雑誌に「辛子蓮根」の作り方、というのが載っていた。
これだ!作ってみる。
昔はレンコンも、今のように小ぶりでなのは出回ってなくて、とても大きかったように思います。
辛子、おから、味噌も入れたのかな。辛子はチューブでなくて、粉末でした。その辛子の黄色い粉がねぇ・・・練っていると、辛さが鼻にツンと来て、目にも来て、涙ボロボロ。うーっ、しんど。ようやく辛子味噌らしきものが出来れば、それを穴に詰めるのが、また一苦労。逆さにしてトントンしたけど、なかなか入っていってくれない。上と下から入れても、真ん中が空いてしまう。箸でつついて押し込んだり。
揚げるったって、一本丸ごと・・・箸で転がしながら、つきっきりで揚げた。どのくらい揚げたらいいのかわらない・・・ようやく出来上がった山盛りの辛子蓮根、食べてみたら・・・わけわからない、ただやたら辛いだけの、可笑しなものができてしまったのでした。これじゃ、おかずにならないわ・・・急いで、玉子を焼いたのか、肉を炒めたのか・・・
これは、結婚前だったことは確か。夫がいたら、多分、叱られていた・・・
その日、出して頂いた「辛子蓮根」は、全くの別物でした。家に帰ったら、作ってみようかな・・・性懲りもなくT_T

「グルグル」・・・ネギのグルグルという名前でしたっけ。
茹でた細い青ネギを、ぐるぐるっと巻いて、酢味噌のようなタレがかかっている。
歯触りが、とてもいいのです。ネギもこんなふうにすると、一品になるんだ・・・とっても気に入りました。
家でも作ってみようかな・・・また、出来もしないくせにT_T

五月のお節句に、菖蒲湯にしたのです。
夫が喜んでくれると思いきや、お湯から上がるなり、葉っぱがベタベタ体について気持ち悪い・・・。菖蒲知らないの?そうじゃない。夫の実家では、菖蒲を縛ってお湯に入れるそうな。
適当な長さに折ってたたみ、余らした葉っぱで、周りをグルグルっとして、端を中に入れる。電気コードなどそうするでしょ。あんな感じ。それで、体をこすったりする。体に葉っぱがまとわりつくこともないし、片付けも楽。
ふうん。それから我が家は、グルグルした菖蒲を入れるようになったのです。

熊本の「グルグル」を食べながら、そんなことを思い出す・・・だって、縛り方おんなじだったのですもの。これも、お店では言えなかったでしたT_T


「馬刺し」を出して頂きました。
霜降りと、赤身と、たてがみと。なんとも言えず、美味しかったです。

ほんとは、九州のお醤油、ちょっと苦手なんです。でも、その甘さと濃さが、馬肉の旨みとよく合っていた。関東のしょっぱいお醤油では、違うのかもしれないですね。
「たてがみ」は、見た目、真っ白なラードのようなホワイトチョコのような。5ミリほどの厚さで、小さな四角に切ってありました。
口に含むと、固いのかな、と思った瞬間、すっと溶ける、というか。包丁の切り口というのも大事なんだろうと思います。

お酒は、熊本の日本酒にしました。最初「甘口?」と思ったんです。柔らかいから。でも、飲んだら、辛口なんですね。大好き、こういうお酒。
馬刺しに地元のお酒。幸せです。
店長さんも、アルバイトの女子大生さんも、気を配って下さり、会話も弾み、というか、私が一方的に喋ってm(_)mとても楽しいお酒です。
やっぱり、こういう食事は一人じゃない方がいいな、と思います。

夜、こんなふうに飲みながら食事をするのって、どのくらい久しぶりでしょう。拓郎のコンサートもないのだし。
今、お付き合いのある手芸の友達、体操仲間、町内の知り合い、夜出かけて飲みましょう、なんて人、一人もいない。
昔の友達も、会うのは昼間。ランチでビールをグラスに一杯、がせいぜい。
オフ会がある時は、楽しいお酒が飲めた。でも、それをセッティングするのは毎回私で、私がそれをやめたら、そういう機会が全くなくなった。私って「実は」人気無かったんだ、と思い知った次第でありますです。

予約して、お店の方にいろいろお願いしておいて下さった友人に、心から御礼を言わなくては。
こんなに素敵な夕食の機会を与えて下さって。

馬肉を細く切って、納豆とうずらの卵を乗せたものが出ます。
熊本でも納豆食べるの?
「もうちょっと、お醤油かけよう。」「あ、かけすぎた!」なんて一人でブツブツ言っている私を、店長さんは、どう思ったでしょう。
美味しいですと、言えよ、私。
でもさー、そんなに一口毎に、にっこり笑って「美味しいです」・・・言えないよねー。
だからと言って、バイトの女子大生さんと、竹内涼真の話で盛り上がることはないんだけど^^;
菅田将暉も好き、と言ったら、「チェック細かいですね」。菅田くんのお父さんが拓郎ファンでね、なんて言えないじゃん。

その学生さんは4年生。就職も内定しているそうで、この店で4年間ずっと働いて来たのだそう。途中でやめないで偉いです。こういう接客業で働いたこと、きっと社会に出て役に立つよ。基本は、人との付き合い、接し方だから。偉そうに講釈たれます。自分は、付き合い下手なくせしてねー。
「おかげで、入社の面接の時も、あがらずに、ちゃんと受け答えできました」・・・店長さんの教育が良かったんじゃない?と、ここで店長さんを持ち上げる私。

「あと、だご汁と高菜ご飯が出ます。」

なんて呼んだらいいのだろう。マスターじゃ変だし・・・名前で呼ぶわけにもいかない。バイトの学生さんが店長さんと呼ぶから、やっぱ、店長さんか。
店長さんではない、もっといい呼び名があるような気がする、素敵な料理人、「店長さん」でした。
多分、その店は、郷土料理の店というわけでもないのだと思う。創作ダイニングと書いてあった。
熊本が初めてだという私のために、郷土料理を取り揃えて下さったのでしょう。辛子蓮根も、さっき作りました、とおっしゃっていた。「辛味、どうですか」と聞いてくださった。
3種類の馬刺しも、特別だったのかもしれない。
心を込めて作って下さって、ありがとうございます。

ダゴ汁は、お醤油味で、ダゴ=お団子は、スベスベとよく練ってあって、手で少し薄く伸ばした感じ、丸くないの。
子供の頃、「すいとん」が好きだった私には、うれしいお汁です。
高菜ご飯も、高菜が細く切ってあって・・その切り方が繊細。油で炒め、ご飯と合わせて・・・とっても美味しかったのです。
けど、悲しいかな。私には、もうお腹いっぱい。
残したくないなー。せめて、だご汁は全部飲もう。高菜ご飯、半分残してしまいました。ごめんなさい。
量が多いと言うのじゃないんです。考えられた品数、量だと思います。ただ、私が食べられない・・・T_T
もう一品、店長さんお得意のお料理を注文できたら良かったのに。お店の人気メニューNo1はどれですか、伺って、注文したかったです。
あーあ、あんなに勝手に喋らず、店長さんに、たくさんお話して頂けば良かった。
もう一度行く機会あるかしら?
一期一会と言う。だから人との出会いを大切にしましょう、という使い方もあるけれど、料理は一回きりの勝負。また同じものにはお目にかかれない。一期一会なのです。

今思うのは・・卒業するという学生さんに、お花を贈りたい。

帰りにコンビニで、缶チューハイを一本買いました。昨晩、缶チューハイがあったらいいな、と思ったから。
でも、それ、冷蔵庫に放り込んだまま。いつの間にか眠ってしまった。

その2

早起きをして、明けゆく空を眺めながら、のんびり露天風呂に入ろうと思っていた。
阿蘇の朝の空気はどんなでしょ。お風呂の中で思い切り吸い込んで、のびーっとするんだ・・・

だけど、朝起きたら、朝風呂の自信がない。昨晩、ちょっと調子悪かった。やっと治った風邪が怖い。お風呂はやめたほうが良さそう。
朝ごはんを食べながら考えた。阿蘇神社に行くバスまでの時間を、ただ部屋で潰すなら、いっそ、早いバスで行ってしまったらどうだろう。
そしたら、慌ただしく参拝して、お水を汲んで、熊本に行きのバスに間に合わせようと、時計と睨めっこしながらせっせと歩かなくて済む。のんびり散策して、カフェでお茶くらい飲めるかも知れない。
同じぼんやり過ごすなら、ホテルの部屋より、神社の境内の方がいいよね。
バスの時間を調べる。
7時40分のバスがあった。8時ちょっと過ぎに着いてしまう。早すぎるかなぁ。早すぎることはない、遅すぎるバスよりも??
まだ7時前。30分あれば支度は出来るわ。そうしよう。

バスの乗客は、また私一人だ。途中で高校生らしき女子が乗って、駅前で降りた。
敢えて阿蘇神社まで乗らず、手前の宮地駅で降りることにした。時間が余るから、どんな駅なのか見て、そこから歩こう。
コインロッカーがあったので、荷物を入れる。

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実は大荷物だったのです。孫達リクエストの「東京バナナ」を二種類、空港で買って持ち歩いていた。夕食のための着替えと、明日の分と、念のためのセーターと。
草千里では、キャリーバック引っ張っていたら、車輪で馬の糞を踏みそうになった^^;
バッグ一つの身軽になって、サー、出発。
迷うといけないので、わかりやすい県道?を歩く。ただ、どんどん真っ直ぐ歩く。そろそろかな?不安になったところで左に曲がったら、駐車場のような所に出た。インフォメーションセンターがある。

正直、これが阿蘇神社!という感慨は、あまりなかった。
地震で潰れたという楼門も、すでに解体されているのでしょうか。あたりは立ち入り禁止になっている。
シートで覆われ、工事が進んでいるのは?・・・その様子を写真に納めたとて、うまくいえないけど・・・何を報告するというのでしょう。

仮拝殿で参拝をし、おみくじを。今時は、どの神社でも、趣向を凝らしたいろんな「おみくじ」があるけれど、私は100円のごく普通の。200円のしか置いていない神社では、やめる^^;
去年行った藤の花で有名な神社では、藤の種をいれた「おみくじ」があるというので、楽しみにしていたけど、1000円もするので、やめた^^;
おみくじ、好きなんだ。信じるとか信じないとかでなく、その時の指針にする。案外ほんとにそうだ、と思われること書いてあるんだよね。たまには自省しないと。

湧き水が、とっても美味しかったんです。友人の言うとおり。昨日のバスの運転手さんの言ったとおり。
空のペットボトルを二本用意してきたので、詰める。
門前町商店街は、9時からだと書いてあった。行ってみよう。珍しい横参道というけれど、私の印象では、奥という感じ。参道というと、まっすぐ神社に向かう道、という思い込みがあるから。

「水基(すいき)巡り」というのもあるのだそう。あちこちのお店の脇に、思い思いの名前をつけた水飲み場がある。水基によって、味が違うのかなぁ。風情もあるし、可愛い。飲み比べもいいかもね。
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買いたかった和菓子もあったのだけど、探して行ったら、お店締まっていた。平日の朝、訪れる観光客も、少ないのですよね。だいたい、私の行動パターンが、人とずれているのかも。
お店は開いていても、まだ火が入っていない感じだったり。後で訪れたお菓子屋さんでは、開店時間を遅らせているお店もあると言っていた。
女学校跡、名前もわからない小さな神社、湧き水をパワースポットと呼ぶのは、どうなんでしょ。あちこち、「水を片手に散歩する」(泉谷さんの歌は、何を片手に?)
震災から一年目の春、この門前町商店街でお花見を催した時の写真。満開の桜と人々の笑顔と・・・大きな大きなポスターが貼ってあった
来年の桜も見事に咲きますよう。

「たのシュー」という有名らしいシュークリームの店が、美味しそうな香りを漂わせていた。入ってみると、イートインのスペースがある。お勧めのウインナーコーヒーと出来たてのシュークリームを注文する。
「クリームが溢れやすいので気をつけて」紙にくるまれ、手渡されて小さなシュークリーム。130円。あら!美味しい。皮が柔らかく、上にサクッとした粉がかかっていて、クリームが何とも言えない。ペロッと食べて、すみません、もう一つ下さい。
地元なのか、買いに来ている人がいた。私も娘達に買って行きたいな。喜ぶだろうな。無理よねー。代わりに、日持ちのしそうなお菓子を包んでもらう。

もう一度神社に戻り、飲んで減った分だけ、水を足す。
門前町にも、あちこち水があるみたいですね。私がそう言ったら、昨日のバスの運転者さんは、何もそこで汲まなくても、せっかく神社まで行くんだから、神社の湧き水にしたらいい、と言ったっけ^^

インフォメーションセンターの近くにいたおじさんに、念のため宮地駅までの道を聞いたら、私が来た道を教えてくれた。知らないふりして、お礼を言う。
「けど、2,30分はかかるよ」あんたのその足じゃ、と言いたげ。そんなにかからないわさ。来たんだから。健脚ではないけれど、私がせっかちなの、知らないなー。
結局、車ブンブンの風情のない道を歩いて駅に戻る。
コインロッカーから荷物を出す。水を二本と、買ってしまったお菓子、荷物が増えた!

熊本に行く「やまびこ号」のバス停は、駅前でなく、大きな通りのソフトバンクの前あたりだというのを確かめていたから、余裕です。私もやるじゃん、今日午前の行程に満足していたら、あ!スマホの充電器、ホテルに忘れてる!
荷物を探るまでもなく、はっきり、「私は入れていない」と確信する。こういうの、確信というんだろうか・・・T_T
真後ろのソフトバンクに飛び込む。3890円と4千いくら?勿体無い、家に帰れば、息子が沢山持っている。どこか安いので間に合わせよう・・・「正規品じゃないと、ちゃんと充電できないことありますよ」お店の人はそう言うけれど。
スマホはひとまず低電力モードにしておこう。

少し遅れてバスが来る。なんとなく、空港から阿蘇を経て熊本という感じがしてしまうけど、空港から右左なんですよね。空港までの道をバスが戻っていると、帰るみたいで、「さよなら」 また阿蘇にくることあるかなぁ、と、少ししんみり。

熊本市内は、さすがに都会です。
「水前寺公園前」で降りて、水前寺成趣園に行くつもりだったけれど、行き交う車を見ていたら、バス通りを渡って行く元気がなくなる。朝、張り切りすぎたかな。スマホの充電も気になるし。そっちをどうにかしよう。こういう時は、たぶん、駅まで行くより、通りで降りた方が用が済む。
水前寺公園には、また来る機会もあるかもしれない。パスして、「通町筋」で降りることにする。
バスを降りると、右と左に商店街、目の前は熊本城?クレーン車の先っぽが見える・・・その前に、この荷物を持ったままお昼ご飯は、どうもね。困ったときの百貨店。「鶴屋」に飛び込む。熊本の老舗デパートだ。
「コインロッカーなんてないですよね?」「あるんですよ。」にっこり笑って、案内のお姉さんが場所教えてくれた。通りに面して100円のコインロッカーが並ぶのが、とっても親切なような気がする。

右手の「上通」は、あとで行く。左手の「下通」に行ってみる。ダイソーがあった。コード100円と充電器200円を買う。合うかわからないけど、iPhoneにも使えると書いていあるから、たぶん。ひとまずこれで。

上通のアーケードが切れた先、シャワー通りというらしい。3年くらい前に読んだ絲山秋子の小説「離陸」に出てきた。アーケードの屋根が切れているから雨が降ると、濡れる、だからシャワー通り。
その「離陸」は、場面場面がとっても好きだった。ストーリーは、疑問なところもあるけどね。小説の中で、熊本は、どうして出てきたのだっけ?その時から、「シャワー通り」が気になっていた。
きっと、通りって、その名前で呼ばれた時から、それになる。センスある名前が付くと、センスある通りになる。素敵だよね。「シャワー通り」


熊本に行こうと思った理由の一つ、紅蘭亭の「太平燕(ターピーエン)」が、今日のお昼だ。楽しみにしていた。
混み合うというから、昼のピーク時を避けて、もう少し後、と思ったけれど、1時少し前、大丈夫でしょう。待つのは、昨日バス停で散々待ったから慣れた^^;
下通の本店は、改装でお休み。上通店に行く。すぐにわかった。お店の名でわかったのでなく、大きな「太平燕」の旗が目に飛び込んできたから。
一歩入ると、グリーンの椅子とテーブルが置かれたガーデンスペース。リゾート地みたいだ。奥にある店は、やっぱりお客さん、多そう。椅子が並べられ、何人か座って順番を待っている。
紙に名前と人数を書く。よくあるあれだ。「店内」「ガーデン」「どちらでもいい」に丸をするようになっている。私は「どちらでもいい」に丸をした。お店の様子も見たいけど、外のガーデンで食べるのも気持ちよさそうだったもの。
それほど待つこともなく、名前を呼ばれた。

店内に入る。あちらのソファの席にどうぞ。込み合っているからといって詰め込んだりせず、ゆっくり座らせてくれる。黒いチャイナドレスの女性が、ポットに入った烏龍茶を持ってきてくれた。湯呑がほんのり暖かい。
「太平燕」と、食後に「杏仁豆腐」を注文して、店内を見渡す。家族連れ、お年寄り、私のような一人客、友人同士、くつろいだ雰囲気で食事をしている。この雰囲気は、どこが違うんだろ。ファミレスのようにワサワサしてなくて、高級店のように取り澄ましてもない。
メニューからして、ごく普通の中華料理だ。奇をてらったところのない、流行に乗った押し付けがましさもなく、こういう料理で賑わっているって、羨ましいな、と、親戚に飲食店を経営する人が多かった私は感心する。
お客さんの服装が違う。特別なお洒落をしている、という感じではないけれど、普段着でさっと来た、という感じでもないの。
「今日は紅蘭亭でお昼にしましょう」前の席、おじいさんおばあさんを交えた家族連れを見ていたら、そんなふうに出かけて来る場面が浮かんだ。

「太平燕」が運ばれてくる。
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簡単に言うと、タンメンの麺を春雨にした感じ。(今は、塩味でたっぷり野菜の入った「タンメン」て、あまりないよね)

スープを一口飲む。野菜は煮込まれているけど、シャキっとしている。麺は細めの緑豆春雨だ。この緑豆春雨がいいのよね。トロンとした春雨は、私に言わせると「春雨じゃない!」

父が言っていた。スープは一口飲んで「美味しい!」と感じるのはダメなんだ、って。
飲んでいって、飲み終わって、「ああ、美味しかった」というのが良いんだ、って。

確かに、最初と最後では、温度も違う。味が変わってくる。
そこまでわかって、最初の一口で「美味しい!」と言える人は、ほんとに味のわかった人なんだろうけど。

私は、正直、最初、少し物足りないかな、と思った。
定食にして、他の料理も一緒に取っていたら、また違っていただろうけど。春雨そのものには味がないからね。
でも、食べて行くうち、このスープが普通の塩味スープでないことがわかってくる。いろんな味が溶け込んでいる。最後の一口、「あぁ、美味しかったぁ」
食べている時より、後で懐かしくなって、また食べたいと思う味。

食べ終わる頃、「デザートお持ちしてよろしいですか」聞きに来てくれた。

「紅蘭亭」の杏仁豆腐は、どんなのでしょう。
小さな菱形に切って、器に入れ、スープ(シロップ)がかかっている。懐かしく、オーソドックス^^

今は、杏仁豆腐も人気らしく、いろいろなものがある。先日も
「全国杏仁豆腐ベスト10」という特集を新聞で読んだ。でも、私の杏仁豆腐は、容器のままスプーンですくって食べるものでなく、羊羹のように切って食べるものでなく、豪華にいろんなフルーツが乗ったものではない。強いて言うなら、中華バイキングに出てくるようなの・・・でも、あんなに甘ったるくない、固くない。食べたあと、口の中の油が洗い流される感じにさっぱりするんだよ。
私は40年以上前のレシピ(古っ!)で作る。でも、そのレシピは、人に勧めても、「たくさん出来て困っちゃった」と言われても、「美味しかった」と言われたことはないのT_T

「紅蘭亭」のは、汁が少し甘く、寒天はほどよい甘さ。そう、その二つの甘味のちょっとの差が美味しいんだ。
寒天と書いたけど、この歯触りは、普通の寒天ではないね。すこーしモチッとしている。赤いクコの実が少々。
シンプルで上品だった。さすが、でした。ごちそうさま。

「SWISS」で、私用に「リキュールマロン」一つ!と、娘達に「三年坂マドレーヌ」を買うのを楽しみにしていたのだけど、来る時見たら、改装中だったT_T
代わりに、レジで、月餅を、私用に買った。

なぜ、「太平燕」というのか。
答えが、お店を出たところに貼ってあったポスターにあった。

   すべての旅人へ

太平嚥はおだやかな海のような味わい
故郷を離れるひとにツバメのように
_いつかもどってこい_というという気持ちを込めて
ともに食するものだという。
こころのありか、それがふるさと
あなたのもとへ、あの人のところへ
あの場所へいつでもそこにもどれるよう。
家路をたどる細いかすかな糸
その向こうにけして消えないともしびがある
リーチングホーム。

行く機会がありましたら、そのポスター、じっくり眺めて見てください。


教えて頂いた話

|SWISSは熊本のトップ洋菓子店で、画家の葉祥明さんの実家です。
|葉さんの実家はもともと中国から帰化した一族で、現在は葉山姓を名乗っています。
|この葉山一族が紅蘭亭という中華屋さんを営んでいて、名物のタイピーエンはJALの機内食に採用されたりもしています。

|現在のオーナー(葉祥明さんの兄弟)のお父さんがSWISSを創業して、おじいさんが紅蘭亭を創業したと記憶しています。
|現在は一族で地元熊本を活性化させるための取り組みを熱心にされています。

このお話をうかがった時から、紅蘭亭で太平嚥、食べてみたいと思うようになったのです。

葉祥明さん。青い空と白い雲、緑の草原と自転車、というと、あ、あの絵?と思い浮かべる方も多いでしょう。
拓郎と同い年みたいです。そのおじいさんというと・・・
遠く、中国から見知らぬ国に渡り 熊本の地に根付き、地元の名士として活躍されながらも ふと思う 忘れえぬ祖国。
震災でふるさとに帰れない人も ツバメに託す思い

嚥は、口偏に燕で、飲み込む、という動詞だよ、と突っ込まないでT_T

福岡と熊本に行く

半年以上も前から、今は九州に住む娘に、11月の留守番を頼まれていた。なんてない、夫婦でコンサートに行くから、子供たちをお願い、というだけの話。
お安い御用。今回は、ついでにちょっと、足を伸ばしてみようかな。息子にもらった旅行券の余りが少しある、それで温泉にでも泊まろう・・・

この話を、町内会の集まりで口にしたら、予想外の反応が返ってきた。そんなことで親を呼ぶの?そういう時の交通費は出してもらえるの?・・・しまった!私は、あの中では、普通じゃいないこと忘れてた!T_T

私には夫と二人で行く拓郎のコンサートが、何よりの楽しみだった。その時だけは、昔の二人に戻れる。好きだった頃の二人がいる。
拓郎に会えるのがうれしいのか、久しぶりの二人の時がうれしいのか・・・
だから、娘が二人でコンサートに行くというと、応援したくなる。

知っている人、頼れる人のいない土地に来て、3人の子供を育て、家事をする大変さ、私なりにわかっているつもりだもの。たまには、留守の心配なく、安心して出かけたいよね。
それに・・・私を呼んだのは、たぶん、娘の優しさ。「来て」と頼まれれば、大手を振って出てこられる。孫に会える。呼ぶのも親切、そう思ってくれたのでしょう。
ついでに、ちょっと旅行しようと思って・・・「あら!いいね」 当然、娘はそう言ってくれる。一泊の予定が二泊になろうと、「こっちは間に合えばいいから、ゆっくりしてきて」
というわけで、「熊本にも行きます旅行」です。

  ****************

以前、知人から阿蘇の牧場の牛乳や、ヨーグルト、アイスクリームを頂いたことがある。写真で見た、あの広い広い阿蘇の高原が浮かぶ。そういう写真では、必ず、放牧された牛や馬がいるんだよね。
美味しいのは勿論だけど、その土地に思いが飛ぶ新鮮な味わいって、何なのだろう・・・。いつか、ソフトクリームを食べに行こう。のんびりと緑の牧草地で、青い空を眺めながら、格別だというソフトクリーム食べるんだ。
牧場の名前のついた牛乳瓶を洗って、カルトナージュで使う筆や刷毛差しにした・・・

思いがけず、娘一家が転勤で九州に住む事になる。
あの家は、転勤先を楽しむ一家なので、さっそく黒川温泉に行ったり、電車好きの3才の男の子を汽車に乗せに行ったり。熊本までは近いのだそう。
熊本行きが現実味を帯びてきた。春休みと夏休み、娘達が帰省する合間の、気候が良い頃・・・飛行機、宿泊、行きたい場所のピックアップ。
詳しい友人にいろいろ教えてもらう。熊本って、案外深いんだ・・・どうやって、どこから行こう。
計画するのは楽しいね。若い時、私は旅行嫌いで通っていたのにな。
そろそろ具体的に、と思い始めた頃、あの地震が起こった。

その時の衝撃をどう表現したらいいのだろう。
お城が壊れる。デパートの壁が崩れる。阿蘇の馬や牛は、行きたかった牧場は、行くつもりにしていた白川水源は・・・
熊本を愛している人の、愛する熊本の光景が崩れる・・・
私には、大変ですね、とか、一日も早い復興を、なんて言えなかった。義援金を、熊本の物産を買って応援しよう・・そういうこともしなかった。

夫は「いわき」の出身だ。
私にとって、あの震災は大きな出来事でなく、目の前の片付けなければならない一つの「点」だった。
自分勝手かも知れない。亡くなった人、身内を亡くした人、行方不明の人々、大変な被害に遭っている人もいるというのに、私は、目の前の「点」に疲れ、イライラした。夫、義妹、しばらく家で預かることになった義母・・・私には、それが、あの震災の全てだ。
了見狭いよね。優しくないよね。災害は、その人自身のものだなんて、冷たいね、私。
でも、例えば、誰が、今もあの茨城の水害を覚えているでしょう。3年前の広島の土砂災害を忘れないでいるでしょう。自分のこととして引き受け続けられる人は、滅多にいない。

熊本の時も、私は黙った。何もしないのに、「お見舞い申し上げます」なんて書けるわけないじゃん。
ひとまず、旅行の計画は消した。
行くなら、震災関係なく行こうと思った。災害地にお金を落としに行こう?落とす、って何よ。復興割り、復興の一助になるる、そいうのは、私に合わない。

今回、孫の子守に便乗して熊本に行く。


温泉はどこに泊まろう・・・
あちこち探して見たけれど、有名な温泉どころは、この時期、一人宿泊は難しい。
そりゃ、予算がたっぷりあれば、どこだって泊まれるけれど、こちらにも都合というものがある^^;
それに、車の運転をしない私には、行ける場所も限られてくる。行けるとしても、どうやって戻ればいいのか、お手あげの場所もある。

阿蘇にしようか、天草にしようか・・・。初めての熊本なら、まず、阿蘇でしょう。
空き瓶を「筆立て」にしていた、あの牛乳の牧場には行けそうもないけれど。
空港からバスで行ける温泉を選び、まずは予約。飛行機のチケットも早くになるべく安く。ネットで「車がなくても行ける阿蘇」というのを読んで、大雑把な予定を立てる。
あっちもこっちもとは考えない。ただ、温泉につかり、部屋で本でも読んで、飽きたら、また温泉に入り、夕食も、外に美味しい店があったとして、歩いていけるかどうかもわからない。一人で夕方外に出て、迷子にでもなったら目も当てられない。普通の旅館の夕飯でいい。ポツポツ食べて、また温泉・・・そんな時間の過ごし方もいいでしょう?年なのでしょうか。ぼーっと温泉にでも入りに行きたい、なんて思うようになったのは。

あちこち観光は欲張らない。一箇所だけ、阿蘇を感じられるところに行ければいい。バスの運行が始まっている「草千里ヶ浜」に決めた。
この前、テレビで石川さゆりさんが、草千里で歌っていたんだ。どこまでも広い草原。池というのか水溜まりというのか、水がキラキラ光っていた。今回の地震で、阿蘇は大変な被害を受けたというけれど、こんなところまで行けるようになっている。
綺麗なだなぁ・・・歌を聴くどころでなく、ずっと景色に見とれていた。・・・動機が単純T_T

次の日、熊本市内へ行くには、やっぱ限られた本数のバスに頼るしかない。ネットであちこち見ていると、うっかり古い資料なのに気がつかなくて、鉄道があると勘違いしてしまうんだよね。
なんだ、阿蘇駅から熊本駅まで豊肥本線の乗れば近いじゃん・・・そう思い込み、いざ調べてみると、豊肥本線は未だ全面復旧の目処は立っていない。昨年の地震の被害は甚大だった。不通区間はバスが代行運転してるけれど、運行時刻を見ても、あくまで生活の足。観光に使えるものではない。地震から一年半というのが、どういうことなのか、調べるたびに、自分の甘さを思い知らされる。

阿蘇のミルクを送ってくださった方に、メールを書いてみる。
「11月初めの阿蘇は、寒いですか?」

その方は、九州の人ではないのに、なぜか熊本大好きで、とっても詳しい。
「寒いですか?」と聞いたとき、私は、それ以上のことを期待していたのかも^^;
お返事を下さり、行程表まで作っ下さった。お勧めの場所や、アドバイスまで添えて。
なるほど、なるほど、こんなふうに行けば、「熊本旅行」になるんだ。
ただ行けばいいや、と思っていたけれど、もう一度調べ直し、組み直す。
市内には泊まらず、夕飯にちょっと飲んだら、遅くなってもその日のうちに娘の所に行こうと思っていた。
そっか、もう一泊すれば、市内の観光だけでなく、阿蘇の滞在も充実したものになるんだ。


うーっ、空港から各方面に行くバスの時刻表が10/1から変更になる。最初調べた時には、飛行機が到着して、15分くらい後に阿蘇方面行のバスがある、しめしめ、と思っていたのになぁ。
何も到着予定の4分前にバスが出なくったって・・・。そりゃ、JALもANAもある。到着も出発もある。私のためのバスではないのだけど。変更の出来ない航空券だし。
仕方ない。空港で一時間過ごすのも悪くないかも。ただ、それだと、予定していた草千里に行くバスに間に合わず、阿蘇駅で、また一時間以上待たなきゃならない。タクシーの利用は考えない。
もともと、車の運転をしない私の阿蘇観光だもの、今はまだバスの本数も少ないのを承知で「行こう」と決めたこと。
ただ、晴れますように。

10月に入ってから、天候不順もいいところ。かつての体育の日、10月10日は、晴れの特異日で、だから東京オリンピックの開催日に決まった、と聞いていたのが、嘘のよう。雨が降り続き、寒くて、薄いダウンまで引っ張り出したかと思うと、Tシャツ一枚で過ごせる陽気になったり。
梅雨とは違う冷たい雨の日が続くと、気持ちまで暗くなる。憂鬱になってくる。お天気の性格形成に与える影響なんて研究もありそうだけど、なんて馬鹿なことを考えながら過ごしていた。
これだけ降り続いたのだから、私が行く頃には晴れるでしょ、という期待も。そう、11月3日も晴れの特異日だった。娘の所に行く3日はどっちっでもいいのだけど^^; 
肝心なのは、1日と2日。観光地の10日間予想、というサイトを毎日見ていた。時間毎の気温、降水確率がわかる。今は便利だね。


【11/1】 快晴だ!
飛行機、私はいつも左の窓際を取る。空キラキラ。眼下に、山並みも町並みもくっきりと広がり、あれは何の川だろう、あの山は?富士山見えるかな、と思っているうち、山なみが途切れ、大きな街になる。機長のアナウンス「只今名古屋上空・・」なんだ、もう名古屋なんだ。
高度の関係もあるのでしょうか。黒、茶色、ベージュ、パッチワークのような田んぼまで、しっかりわかります。海に島々が浮かんでいるのは、もう九州?どこだろう。長崎のような気もするけれど、飛行機がどこから入ってゆくのか・・・知識のない私がいけないのだけれど、現在地やあたりの地図が、ぱっと解説付きの映像でわかるようなサービスがあったらいいのにな。音楽やテレビばかりでないよ、機内で楽しみたい物。
今時、空からの眺めに見入るおばさんも、珍しいのかもしれないけどね。夫は、席は通路側を取っていた。人が前を通ることもなく、降りる時はさっと出られるから。
普通の移動手段、サラリーマンなら九州など日帰りコースだものね。

阿蘇くまもと空港、定時に到着する。
もしや、バスが遅れて・・・ひとまずバス停まで行ってみたけど、そんな都合のいいことは起きなかったでしたT_T

デッキで飛行機を眺める。ぽかぽかと暖かい。子供連れのお父さん。車椅子に(たぶん)お母さんを乗せた女性。穏やかな光景が広がっていた。
売店でお土産見て、冷やかしに試食して、コーヒーショップで簡単なお昼。なんだかんだで、もうすぐ時間。早めにバス停のベンチに座る。
静かだなぁ・・・空広いなぁ・・・あったかいなぁ・・・座っているだけで、私は旅行に来たのだと、楽しく幸せな気持ちになる。

朝は4時半起きだったし、飛行機の中では外を眺めるのに夢中だった。バスの中で少し寝ようと思ったけれど、周りの景色がどんなものだか気になって眠れない。
紅葉のシーズンだけれど、紅葉するような木は、あまりない。高い高い常緑樹の間をバスは走る。どこかで山に生える木のことを読んだっけ・・・忘れましたT_T
特別に変わった景色があるというのでない。だけども、ここが熊本・阿蘇なんだ。高知や鳥取とも違う。市の中心部に入っていくバスでないから、空港で感じた空気のままだ。赤水という駅を2度通るのは、どうして?ホテルやペンション村にも止まる。カトリード・ミニオン?どこかで聞いたことがあるような。(あとで聞いたら、娘たちは行ったことがあるそうな。「パンくんがいた所だよ」だって)

阿蘇駅に到着したら、赤い電車が止まっていた。
なんだかうれしくなって、写真を撮ろうと近づいたら、先客が数人、カメラやスマホを手にしていた。それを見て、またうれしくなる。何がうれしかったんだか。
阿蘇駅は、木造の、これぞ駅、という感じの駅だ。
まずは、バス停を確かめる。バス案内所&待合室があり、各方面への路線図や時刻表、料金などが貼ってある。職員さんも数人。
これなら間違うことなく乗れそう。ホッとしてベンチに座り、あたりを眺める。牛の像がある小さな公園、噴水が、間欠泉のように吹き出す公園・・・あれ?「道の駅」の看板が見える。道の駅って、高速道路などにあるのじゃなかったっけ?ここじゃ、ほんとの「駅」だもの。

近くまで行ってみたら、ほんとに「道の駅」だった。地元の野菜や特産物が並び、観光客というより地元らしき人で賑わっている。小さく不揃いなトマトの袋詰め、水菜・・・わ!この水菜、茎が紫色だ!買って帰りたかったけど、無理じゃん。
お弁当やおにぎり、お惣菜なども並び、奥の広い座敷では、家族連れ、友達、様々なグループで、今買ったのでしょう。お弁当やおやつを広げている。座敷の向こうには、大きな窓があり、駅のホームが見える。そのまた向こうには、山が見える。空がある。ここでお昼でも良かったな・・・。

外に出ると、ソフトクリーム売り場に人が並んでいた。牛乳そのままの味と、コクのあるものと、ヨーグルト風味のと、それぞれ牧場の名前が書いてある。どれにしますか?少々迷って、牧場名で(気分で)真ん中のを選んだ。
外のテーブルで、ポカポカの日差しの下、食べる大きなソフトクリーム、美味しかった!

駅舎の中に入ってみよう。今は降りる人も乗る人もないひっそりとした駅舎。入っても大丈夫かな・・・そっと戸を開ける。
さっきの赤い電車はどこから来て、どこに行ったのだろう。時刻表のまばらな数字を追う。二つ書いてあるだけの赤い数字は、特急。普通列車は、黒い数字で4つ。一日4本だけなんだ。全て下りのみ。
さっきのは、12:57発の大分方面らしい。あの赤い電車で、旅行気分を味わおうと、ひと駅、ふた駅乗ったみたとして、ここに戻れたのかどうか。

そろそろバス停で待っていよう・・・、と、外人さんがひゅーっと自転車でやって来た。ん?何者?
阿蘇火口線のバスに、その人も乗るらしい。運転手さんに、自転車を積んでくれ、と言っている。自転車ぁ?
バスの乗客は、私とその外人さんだけだ。運転手さんが、カタコトの英語で、どこから来たのか尋ねると、「カナダ」。北海道から新潟、あちこちを旅しているらしい。
えっ!帰りは、あの自転車で下りてくるの?運転手さん、曰く。「漕がなくったって、だーっと下りてこれるさ」

緩やかな登山道。健脚なら、登れてしまうかしら?15キロと、バスのアナウンスが行っていた。

運転手さんは、とても親切で、ちょっとお喋り。私が東京から来たというと、ガイドさんに早変わり^^通る道、見えるもの、一つ一つ説明してくれる。
ススキがきれい!わ!牛がいる、馬がいる!放牧されている!見るもの見るもの、感動している私に笑う。

「あの山も、山肌が割れて、黒くなってるでしょ。あれは、地震で割れたんです。」
工事している。よく見ると、道路に亀裂の跡なのか、黒い線があちこち走っている。黒い土嚢が積まれた場所では、「このあたり並んでいた家は、みんな崩れて、無くなったのよ。」家があったんですか?・・・
「昭和天皇がいらしたとき、案内役の説明に、「あ、そぅ」とお答えになったとか。私は笑うけど、外人さんにはわかったのかどうか^^
私が明日は阿蘇神社に行くというと、「それはいい!」「あの神社は格式高く、その辺の神社と違うのよ。」・・・(説明が始まる)・・・「行ったら、水飲んできなさい」「近くの金物屋に行って、ポリ缶を買い、水を詰めて宅配便で送るといいよ」(いくらの水につくのよ、ね)
「都会の若者が金出して水を買うのがわからない」「うちじゃ、近所の5軒と、ボーリング入れたんだ。もう40年、水道代払ったことないよ。最初は金かかったけどね。おかげで使い放題。冬はあったかく、夏は冷たい。うちじゃ、夏は、水クーラー」
水クーラー?贅沢ですねぇ・・・運転手さん、うれしそう。

30分足らずの道のり。二人であんまり盛り上がるものだから、日本語は少しだけわかるという外人さんは、おいてけぼり。m(_ _)m
帰りのバス停も、あそこだよ、と指差して教えてくれた。バスはこれ一本でしょ。帰りまで30分しかなくて、乗り遅れたらどうしよう。「そしたら、その辺の馬拾って、駆け下りて来ればいいさ。」馬泥棒するの?・・・
到着して、向こうを見渡す。

わーっ。
ほんとに、ほんとに、素晴らしかった。写真を撮ったって、私のスマホには収まりきれない。青々とした草原なら写真映えしたかもしれないけど、今は、枯れて茶色。でも、その茶色が、いろんな茶色でね、チョコレート色だったり、ココア色だったり、プリンみたいに黄色かったり。私には、それがとっても綺麗だった。
山はくっきりと高く、草原は、どこまでも広く、あっちも歩きたい、向こうにも行ってみたい。子供だったら、ワーワー走り回るだろう。バァは、ただ少し歩いては立ち止まり、あたりを眺め、また違う所を歩き始め、立ち止まり、空を見上げ、山を見る・・・来てよかった、ここだけで十分と、満足している。こんなにお天気に恵まれるってこと、あるんだろうか。水がキラキラ光ってる。そっちまで行ってみたいな。時間があるかしら?
一人でウロウロしている私に、二人組のおじさんが、写真撮りましょうか?いえ、景色だけで。私はいいですので。笑って向こうに行った。

バスの出発まで、あとちょっとある。もう一度ソフトクリーム食べちゃおう。阿蘇駅で食べなかった方の牧場のだ。あっちを食べておいて正解でした。
バス停に向かう途中、さっきバスで一緒だった外人さんと出会う。火口西口まで行って、自転車で降りてきたところみたい。見た?草原を指差す。
「今、見るところ。素晴らしいね」 ふ・ふん、褒められてうれしい。私の物じゃないけどさ。

すでにバス停には人が並んでいる。外人さんばかりだ。日本人は、多分、車なのでしょう。お天気は、曇ってきて、ひんやりし始めている。やっぱ山の天気は変わりやすいんだ。
バスが来た。混んでいる。さっきの運転手さんに、そっと頭を下げる。「間に合いましたよ」のつもり。

もっといたかったなぁ。調子に乗って、乗馬にも挑戦してみたかった。(かも)。並んだ馬さん達、コロンとして、とっても乗りやすそうだったもの。
タクシー使えば、早く来られたのに。でも、時間無駄でも、バスで来て良かった。短い時間しかいられなくても、ぎゅーっと詰まった私の草千里。
バスを待つ間に見た阿蘇駅の光景。思ったこと、感じたこと。バスの道中、あんなに楽しい会話ってある?贅沢だった、貸切バスのような、私のための時間。

阿蘇駅から温泉まで、またバスに乗る。ホテルに迎えに来てもらおうかとも思ったけど、バスもいいものだと思ったから。
乗客は、また私一人だ。今度の運転手さんも、いろいろ話をしてくれる。阿蘇火口線も、今は一台のバスで三往復してるけど、もう少しすれば、台数も増えるとのこと。
冬はバスないでしょう、と言ったら、いや、ありますよ。大きい方のバスにチェーン巻いて運行するのだそう。一面真っ白な草千里ヶ浜も綺麗でしょうね。でも、少しでもお天気悪いと視界が遮られ、何も見えなくなる。この前来た外人さん夫婦が、霧で何も見えなかったとぼやいていましたよ。私、運が良かったんですね。遠くまでよく見えましたよ。

「そこで降りるんなら、泊まるのは、あっちか、こっちですね。」あっちです。「向こうに建物見えるでしょう。そこですから」
お礼を言って歩き始める私。と、「お客さん、反対です!」わざわざバスから降りて呼び止め、教えてくれた。あ!信号渡るのか・・・何聞いてんだか、の私T_T
なんて親切なの。二人のバスの運転手さん、ありがとう。これを書きながら、「真夜中のタクシー」を思い浮かべてしまっていたのでした。


ホテルという名の大きな旅館に着いた。
まずは屋上露天風呂。陽の落ちる前に、と思ったけど、こっちは、日の出日の入り、関東に比べて遅いんだよね。
まだ明るい。誰もない。確かに阿蘇五岳は見えるけど、眺めながらのんびりお湯につかる、というわけにはいかない。だって、お風呂に体を沈めると、景色が隠れて、空だけになってしまうんだものT_T 誰もいないのをいいことに、立ったり座ったりていた^^;思ったより、お湯熱くない。
女湯の方に行ってみよう。
入り口で女性が話しかけてくる。エレベータのドアが乗り切る前に閉まって、友達とはぐれてしまったのだそう。向こうのお風呂にいませんでしたか?誰もいなかったですよ。おかしいわねぇ・・
あちこち動き回らず、エレベーターか部屋の前で待っていたほうがいいのに、と思ったけれど、私が言うのも余計なお世話。その女性は服を脱ぎ始め(え?お風呂入っちゃうの?)私に後ろのホックを外してくれという。「いつもは娘にやってもらうんだけど。」

今日は、老人会の集まりで市内から来たのだそう。いいですね、大勢で。私?私は一人。えー!一人?このシャワーのお湯、どうやったら止まるんだろ。自然に止まるみたいですよ。なんだかんだ、喋る。
そういえば、羽田でも、私と同じくらいの年の女性、いつもはだんなさんと一緒なんだけど、今回、同窓会で、初めて一人で帰省する。心細くて。じゃぁ、と一緒に歩き始め、搭乗まで、ずっ並んで座り、いろんな話をしたっけ。
バスの運転手さんも沢山話を聞かせてくれたし。
熊本の人が人懐こいのか、私がおしゃべりを呼ぶのか。

お湯、熱いですね。いいお湯・・・
お湯を見に来たホテルの女性は、41度、と言った。締め切っていると、湯気もいっぱいで室温高くなり、お湯も熱く感じ、露天風呂では、お湯も風で冷やされるのか、少しぬるく感じるのだそう。「同じ41度なんですけどね。」
逆だと思っていた。家では、冷えた体でお湯に入ると、熱いもの。
もうあがろうか、という頃、あー、○○さん!はぐれたと言っていた友達が来た。「勝手に先にお風呂に入って!」私だったら怒るところを、ニコニコと「いて良かったわぁ」。やっぱり熊本の人はいい人だ^^
私は、もう一度さっきの露天風呂に入ってこよ。空がうっすら赤い。「落陽」というわけには行かなかったな・・・
もう夕飯だ。広い食堂で、一人ぽそぽそ食べていると、なんだか、侘しくなってくる。
周りは、みんな二人連れ。さっきのおばさんたちは、団体なので部屋が別だ。あの「後ろのホック外して」と、見知らぬ私に頼んできたおばさんが、なんか恋しくなる。隣のテーブルにいたら、どうぞどうぞと、ビールなど勧めてくれちゃったりして。
一人でボーっとするのがいい、と決めた旅行だけれど・・・ビール、頼んじゃおう。

売店を覗く。買いたいものはない。ビジネスホテルのように、缶チューハイを自動販売機で売っているわけもなく。仕方ないので、明日の湧水のために、お茶を買った。ペットボトルがもう一つ欲しいから。
部屋に戻る。なんだか肌がスベスベするみたい^^ あ、ここには、もう一つ、大浴場というのがあったんだ。お風呂行ってこよう。
大浴場は、さすが大浴場。人も案外多い。ふと見ると、ガラス戸の向こうにもお風呂があるみたい。出てみると、露天風呂だぁ。風冷たい。お湯、気持ちいーい。
先客に、若い女性が一人。お邪魔しちゃったかな。
「月、綺麗ですね」「あ、ほんと!」いかにもの温泉会話。「でも、星見えないんですよ」・・・今時の女性って、こんなふうに絵に描いたような(?)会話するんだろうか。温泉宿だからねぇ・・・
岩に触ってみる。綺麗に洗ってあるような岩。苔むしたり、汚れた感じがない。あれは、どこの温泉だったろう。手を置いたら、ツルンと滑ってしまうようだったのは。
やっぱり外のお湯はぬるいのか、もう一度大浴場に入ろう。

ふーふー、湯あたりしちゃったかしら?母だったら、極楽、極楽、と言ったかしら?
部屋で、何をするということもない。ノートパソコンどころか、ipadも持ってこなかった。携帯(スマホ)は、私には、外の物だ。部屋から持ち出す必要のないものもある。PCでは書けても。携帯では書けないメールというのもある。
いろいろ教えて下さった「熊本好き」の方に、今日の報告をしようと思ったけれど、携帯だと、何か「割り込む」ような感じがして気が引ける。第一、報告しないと失礼なのか、いちいち報告したらうるさいのか、わからない。見えない人との付き合いは難しいね。

本を読み始めたら、眠ってしまった・・・ふと目が覚めて、テレビをつけたら、日本の有名人100というのをやっていた。安倍総理よりタレントさんの方が上なんだ。全ての年代で点を取らないと、上の順位には行けない。
どうせ、拓郎など候補にもあがってないんでしょ。一位は「タモリ」さん。
空調で暖かいのに、クシュン!クシャミが出る。乾燥するのか、喉がいがらっぽい。明日の朝風呂はやめたほうがいいかなぁ・・・持参の風邪クスリを飲んで寝ることにする。


ここまで書いて。
私、何回「ベンチに座る」と書いたんだろう。ほんとに、座ってばかりだったんだもの。
載せるような写真がない・・・草千里で「おじさん二人組」に撮って貰えばよかったかな。そしたら、あたりの景色が綺麗に入ったかもしれないもの。私にはモザイクかけて。

京都に行った(2の1)

2年くらい前だったと思う。あるサイトで「鞍馬・貴船」という紀行を読んだ。疎い私は、それが京都だということが、すぐにはピンと来なくて、何か不思議な怖いようなものを感じながら読ませて頂いた。
鞍馬山を登る。貴船にたどり着く。
簡単に言うと、そういうことだけれどm(_ _)mその中に込められたもの。その人にはその人の「行かなければ」という思いがある。
突き動かされるものを持った人の足取りは、強く、早く、息吹が伝わるようだ。九十九折(つづらおり)、木の根、やがて聞こえる川の音・・・一枚の絵、一枚と言っても、長い巻物のようなものかな、を見たような読後感が残った。
「女性の一人歩きは勧められない」 「午後2時には下山を始めたほうがいい」 「鞍馬から貴船へと行くべき。貴船から鞍馬ではなく」そんなことも書いてあったように思う。
私には足を踏みいることのない場所なんだ、そう思っていた。

それが、昨年、新聞の日曜版に 「近うて遠きもの・・・鞍馬のつづらをりといふ道」 という清少納言「枕草子」の言葉と共に、鞍馬寺の参道、九十九折の写真が載っていた。
新緑の中登る参拝者たち、それは、鬱蒼と深い山に入る、というより、爽やかな初夏のハイキングのような雰囲気だった。私にも行けるかな・・・

その記事には、「絶望の中で書かれた機知」として、清少納言の枕草子が、どういう状況で書かれたものであるか、ということに触れられていて、それなりに面白かったけど、正直、それほど興味がないT_T
ただ「近うて遠きもの」という言葉には、惹かれた。
「近うて遠きもの」かぁ・・・私だったら、そのお題になんて答えるだろう。
ま、ここには拓郎ファン以外はいないということで、「吉田拓郎」にしておくかなT_T

で、京都に行くなら鞍馬・貴船に、と思ったのか、鞍馬に行きたくて、京都に行こうと思ったのか、わからないけれど、場所や行き方を調べ始める。ガイドのページもいくつかあった。貴船は人気なんだね。
パワースポットとか、霊気、とか、そういう言葉がよく出てくる。若い子の間で、パワースポット巡りが流行っていることは、数年前から言われているけど、何がパワースポットなのか、わかんないや。ここがそこだと知らなくても感じるんならすごいけど・・・と、また批判ばっかりの年寄り根性がT_T

朝の叡山鉄道「きらら」に乗りたい。出町柳8:40発。そこから逆算して、予定を決めていく。朝食は、ホテルの朝食は取らなかった。前日にパンでも買っておいて・・・それでもいいけど、それだと歩くパワーが足りなさそう。コンビニでおにぎりでも買って持ってく?その辺に腰掛けて一人で食べるのもみっともないなぁ。
有名なイノダ珈琲で「京の朝食」を食べていくことにする。
そこなら7時からやっている。一度は行ってみたかったし。観光客としては、いい選択かも。

経路を調べると、乗ったことのない電車の乗り換えは不安だけど、十分間に合いそう。ノートにしつこく時刻を書いてゆく。なんで地下鉄が「京阪三条駅」で、京阪電車の駅が「三条」なの?この乗り換えって何分かかるんだろ。
別に間に合わなかったら何時の電車になろうと構わないんだけどね。一人旅なのだし。
行き当たりばったりで、のんびりと・・・そうなれないのは、細すぎた夫の影響なのか、その「鞍馬・貴船」を書かれた方が、几帳面に時刻を記していくのに感心したからなのか・・・ほんとは、私、大雑把なんだけどね。

前日の疲れでぐっすり眠った・・おかげで、朝早く目が覚めてしまう。アラームも何も、4時半頃起きてしまうのだから。家ならパソコンで時間潰すんだけど。
仕方ないので、朝食の前に、近くで寄れる所がないか、詮索してみる。イノダ珈琲の近くに「六角堂」というのがあった。拝観は6時からだって。よし、そこに寄ろう。
6時前にホテルを出る。細かい雨が降っている。パーカーを羽織る。
初めての地下鉄でも、行けば、ちゃんと乗れるものだ。京都は昨年あたりから「PASMO」や「Suica」使えるようになっていて、やっぱり便利ですよね。ICカード。マゴマゴしなくて済むもの。
烏丸御池、普通に「からすまおいけ」と読めばいいのだと、電車のアナウンスで知った。オフィス街なのですね。

何も知らず、ただ近いからという理由で時間潰しのように来てみた六角堂だけれど、由緒あるお寺なのですね。その厳正な中にも親しみを感じる佇まいに、ふーっと息を吐く。感嘆という言葉は、ちょっと違う。ふーっと息を吐いてまっすぐ立ったら、お腹が平らになった、というか。これって、最近体操をやっているからの感想?^^;
聖徳太子が創建された、いけばな発祥の地などの説明を読む。

小雨降る早朝、すでにお参りをする人が、ちらりほらりといる。出勤途中だろうか、スーツ姿の男性が、さっと参拝して行く。地域に密着しているんだ。
お線香を持った女性が「火がなくて」と困ったように言う。炭団の火は消えている。ロウソクはあるけれど、点っていない。参拝は六時からと書いてあったけど。そうこうするうち、納経所というのか、戸を開ける人がいる。
尋ねると「また火は入れていない」。その女性は「では、中の火を使わせてください」・・・私には、なかなか、そんなふうに言えないなぁ。諦めて帰るか、火のついていないお線香をそのまま挿して行くかだわ・・便乗して、私もお線香を二本頂いて、お参りをする。

地面に着くまで長く伸びた柳の枝に結ばれた御籤の神が、白い花のよう。
十六羅漢という小さなお坊さんの像があった。

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「和顔愛語わげんあいご」というのだそうで、いつもニコニコ優し顔で穏やに話すよう心がければ、必ず良い報いがある、ということらしい。笑顔と優しい言葉、というのは、私に一番足りないところだ、と、わかっていても、そうならないんだよね。そうしよう、と思って、そう出来たらどんなにいいだろう。

7時までは、まだあるけれど、私のことだ、きっと迷うでしょう。案の定、地図を見ても、自分のいる通りがわからないT_T
観光客らしい二人連れが通ったので、聞いてみる。日本語が通じないT_T 
自分で探そう・・・歩き始めたら、様子を見ていたらしいご老人(男性です)。雨も上がって、くるくると巻いた傘をステックのようにすっと差し、「本店ならここをまっすぐ行って、次を右に曲がる、三条店なら向こう。」
さすが、京都のご老人というべきか、背筋もしゃんとして、言葉少なく的確で、お礼を言ったら、軽く頷いてさっと去っていった。

テレビで何度か見たイノダ珈琲の店内。思ったより広くて、街のホテルのティールームみたい。
2階も別室もあるようだ。

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お年を召された方が、数人、ポツポツとコーヒーを飲んでいる。皆お一人なのが、ちょっと見られない光景だ。いいですよね、皆さん、お洒落で。

高田渡のコーヒーブルース
♪ 三条に行かなくちゃ 三条堺町の イノダっていうコーヒー屋へね

あ、この歌は三条店だった。

「京の朝食」を注文する。量が多そうで食べきれないような感じがしていたけど、ミーハー観光客だもんね
・・・ほんとに多かった。山盛りの千切りキャベツと、スクランブルエッグは卵一つ分じゃないよね。分厚くて大きなハムを軽くソテーしたもの二枚。ミニトマトとグリーンアスパラとスナックエンドウと人参ソテー。
オレンジにクロワッサンに、ジュースとコーヒー。食べ始めて、あ、写真撮ればよかった・・・
いつもそう、撮ってから食べる、というのが身についていない。というか、料理は、出されたらすぐに食べよう、と思うのだ。自分の料理も、滅多に撮らない。私などモタモタして、熱いものが冷めちゃうからね。

美味しいかもしれない。でも、驚く程でもないような・・・ごめんなさい。
お店の雰囲気はとっても素敵。店員さんも感じいい。ここの、ミルクとお砂糖を入れてきてくれるコーヒー、好きだ。もっと軽いモーニングがあったらな。

常連なのでしょう。お年寄りたちが、声を掛け合い、同席して、親しげな笑い声が聞こえてくる。朝のひと時、こういう店で仲間と過ごすのね。いいなぁ。

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トイレに立ったら、インコがいた。


さて、今度は東西線というのに乗らなくちゃ。まっすぐどんどん歩いたら、東西線の入口があった。
「京阪三条」→「三条」の乗り換えも、そうよね、みんな乗り換えるんだものね、難しいわけはない。東京の地下鉄のようには込み入ってない。
「出町柳」には、早く着いた。来た電車を見送って、ホームで次を待つ。
やっぱり私は夫とおんなじことをしている。早め早めに。
ゆっくり行ったって、同じ電車に乗るのなら、結局時間の無駄遣いをしているのかもしれないのにね。

でもまぁ、そういうわけで、無事乗り込んだ「きらら」は、先頭に座ることができて、運転手さんの後ろから左右に青もみじを見ていた。
叡山電車というのは、沿線に学校も多くて、登山電車のような趣は、終点の数駅前からだったけど。

鞍馬駅に着いた。
天狗のお面が出迎えてくれる。
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小さい頃見た映画や紙芝居の「鞍馬天狗」は、ここから来ていたのか。
私には、鞍馬天狗と言ったら、やっぱりあの頭巾をかぶった正義の味方だわ。さすがに嵐寛寿郎は知ってるけど古い。東千代之介とかさ。


_続く_

京都に行った(1)

一昨年の誕生日に、長男が旅行券をプレゼントしてくれた。
どこへ行こう・・・うれしいからこそ、無駄には使えない。ゆっくり考えようと思っているうちに、今年秋までの有効期限が迫ってくる。
そうだ!京都に行こう!

京都に行くなら、まずは清水寺。なんてありきたりなんでしょ。夫と行った新婚旅行の京都、清水寺の舞台で、お水を受けようと柄杓を伸ばす私の写真が可愛いから・・・なんてね。

もう一つ、京都で、行きたいと思っていた場所がある。新聞の切り抜きをファイルに入れて、今も時々読み返す。それは二日目に。

旅行券は宿泊に使わせてもらって、新幹線は、以前名古屋や山形に行くのに重宝したジパングに入ろう。会費も安くはないけど、一度往復すれば元が取れる。
花の季節は混雑この上もないというし、高い。GW後の平日がいいかな。新緑の京都も良さそう。案外穴場かも。
この際だから、ちょっといいホテル、とも思ったけれど、ケチな私は、半分とっておけば、もう一度どこかに行けると思う。どうせ寝るだけだもの、清潔ならどこでもいいや。
旅行って、目に見えないところでお金使うよね。小さな土産、休憩に飲むコーヒーや、目にとまった美味しそうなもの・・・ケチケチするのも楽しくない。そっちに使おう。

最初、昼前に着く新幹線にしようと思ったのです。けど、外人客や修学旅行生でいっぱいであろう京都の、「誰もが行く」定番コース。
バスでなく、電車+徒歩の行動を予定を組んだけど、いっそ早い時間から行動することにしたらどうだろう。
朝はゆっくりと思えば、ゴミ出しだの、洗い物だの、掃除機もかけて行こうか、等々用事を増やして忙しいだけだ。
準備をしっかり。当日は出るだけにして、6時台の「ひかり」にしようかな。(ジパングは、「のぞみ」は使えない)

たぶん、新幹線は空いている、隣に誰が座っているかわからない指定より、自由席の方が、きっと快適だ・・・そう考えたのは正解でした。3人掛けの席にずっと一人だった。
車内で前の日に聴けなかった「拓郎ナイト」の録音を聴くつもりでいたけれど、何か違う。気分が違う。
拓郎を忘れて、景色を見よう、のんびり旅気分を味わおう。HPに伝言するのでなく、持参したメモ帳に書いておこう。
そういえば、コンサート会場で、せっせとメモ取る人がいたっけ。メモした言葉の断片からライブを蘇らせる、それは、素敵な驚きであったけど。

まだ田植えは済んでいないのかなぁ・・・ぼんやり外の景色をを眺めていたら、あ!「つ・ま・恋」の看板!外していないんだ!あのままなんだ!写真など撮る暇もない。
「ただいま掛川駅を通過しました」と電光掲示板が。通過してから知らせてくれたって。拓郎忘れて、のはずだったのに。


右も左もわからない京都駅。とりあえずコインロッカーに荷物を入れる。
あたりはそう混み合っている雰囲気でもない。無理に電車を乗り継いで歩かなくても、バスで行けるかも。バス停の様子を見て考えよう。
目指すバス停には人が並んでいたけれど、長蛇というほどでもない。係りのおじさんは手馴れたもの、上手に乗客をさばく。バスで大丈夫そう。
私の数人前でいっぱいになったので、次を待つ。たしいた時間ではない。乗ると、「清水寺は前、銀閣寺は後ろ」との指示がある。どちらかというと、銀閣寺の方に惹かれるけど、清水寺決めたのだから。
一番前に座って、道、すいているじゃん、あれは三十三間堂だ、京都だねぇ、などとボーッとしていたら、15分足らずで着いた。
どちらに向かって歩く、と考えることもない。人が向かう方に行けばいいだけだ。左右に分かれた道は、右の「ちゃわん通り」にした。
通りの名前通り、瀬戸物やさんが並んでいるけれど、お土産品の瀬戸物買ってもね、と思っていたら、小さなフクロウの置物が。一つ一つ形や表情が違う。500円か・・・。

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夫が生前、やけに「フクロウ」「フクロウ」と言っていたので、フクロウの物を見ると、つい買いたくなる。
仏壇にお供えしよう。

清水寺は、外人さんも修学旅行生も当然大勢だったけれど、普通の観光地でも、土日ならこのくらいは。

改修中なのは承知の上、とは言っても、資材で囲まれている姿、眺めのいい遠くから見渡せば、お堂の上から黄色いショベルカーの先っぽがニョキッと覗くのは、なんだかね。

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40年前の新婚旅行で夫に撮ってもらった写真と同じポーズの私を私が撮れるわけないのだし。
でも、新緑の中、あれは何の塔?なんというお堂?・・・自分のペースで、のんびりと見て回るのは楽しかった。

「随求堂(ずいぐどう)胎内めぐり」というのもしてみる。
靴を脱ぎ、真っ暗な中に入ってゆく。ほんとの暗闇。左手に掴んだ縄だけが頼りだ。怖い。どこまで続くんだろう、と思った頃、ぼーっと明かりが見える。
微かな灯りを放つ石に、手を置き、こういう時願うのは「家族の平穏な心」それしか浮かばない。
「こういうものは・・」と批判するのは簡単だし、以前の私なら、やらなかったかもしれない。でも・・・ほんとに暗かった、見えた明かりにホッとした。それでいいじゃん。
おみくじも引く。おみくじというより助言だ。「年をとれば足腰も弱ってきます」だって。くっ。

これまた定番の、産寧坂、二年坂を通って八坂神社に向かう。
修学旅行で、夫との旅行で、通ったこの通りは、50年前、40年前と変わらない。そりゃ、人も店も、賑わい方も変わっているのだろうけど、坂そのもの、というか、街の作りは、そう変わるものではない。人が太っても痩せても、骨組みが変わらないように・・・少し違うか。
ちょっとお腹が空いたかな。お昼、混まないうちに、たって、入る店がない。どれも値段は張るけれど、実際がわからなのだもの。
それに、明後日、帰る日に大切な友だちが、ランチの予定を組んでくれている。それが楽しみだから、京料理のようなものは食べないでおきたい。

ささっとうどんかお蕎麦でも・・・こういう時、○○うどんのチェーン店が、あったら便利だなぁ・・・あるわけないけど。仕方ないから九条ねぎの蕎麦、というのを食べに入る。

関西のうどんのお汁はとっても美味しいと思うけれど、蕎麦にもこういうお汁ってどうなのよ、うどんと蕎麦って、家庭でもお汁変えるよね、と関東生まれの私は思ってしまう。
美味しいことは美味しかったけど、なにせ、量が多い。残すのも失礼かと・・・ふーっ、食べるのに疲れた。
元のように沢山食べられるようになった私だけれど、ものによっては食べきれないんだ。
「量を減らしてください」それが店にとって、案外面倒なことを知っている私は、なかなか、そう頼みづらい。


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二年坂に向かう角が嫌に混んでいる。行ってみてわかった。写真渋滞だ。京都の趣十分な坂、写真を撮ろうと・・・今時は、景色の写真でなく、自分の写真を撮りたいのだもの、時間もかかるわ。


修学旅行生が急に増えた。やっぱ、朝早い行動開始に限る。
今時は、中学生でも自由行動が多いのね。お昼もめいめい好きな店を選んで入る。「修学旅行生割引」という張り紙も目に付く。何食べる?どこに入る?・・・楽しそうだね。

私が中学の頃は、「日の出号」に乗って、京都についたら、バスに乗せられ、降りたら、紺色の制服を着たガイドさんの旗について行き、金閣寺など。
見たら、また次。どこをどう見たのやら、どんな説明があったのやら。お昼ご飯をどうしたのかも覚えていない。お弁当が配れたのではなかったっけ。
夜は「正露丸」を飲まされ、嫌だったなぁ・・・こっそり捨てた。

みんな言うの。京都?修学旅行で行った。でも、全然覚えていない。大人になってからこそ行く所ですよね。
「私、新婚旅行で行った。」すると、「まぁ、修学旅行みたいな」・・・とはハッキリ言わないか。自分で、「修学旅行みたいでしょ」と先制してるのか。

「七味屋」さんで七味を買う。私用には七味、長男には辛口一味だ。あの子は、七味のぶつぶつが嫌だと一味にしてる。そのブツブツと香りが美味しいのにな、と私は思うけど。

みたらし団子だのなんだの、美味しそうなのに、お腹いっぱいで食べられない。お蕎麦をちょっと後悔する。
買う気もないのに、あの店、この店と、入ってみながら、、二年坂を下りてゆく。適当にあちこち曲がってみては、路地を楽しんで歩く。

途中に「酒屋さん」があった。店構えはひっそりと地味なのに、並んでいる京都のお酒の銘柄がすごい。あれもこれも買いたいな。宅配便で送ってもらおうかな・・・いけない、いけない、つい気が大きくなってしまう。
「買っておけば、みんなが来た時飲める」「飲んで欲しい人に送ろう」・・・そういうのはやめよう。

八坂神社だ。


祇園四条駅まで歩き始めたら、ポツポツ雨が降り始める。ちょっと休憩。
まだ一時半。ホテルに行く前に、もう一つ行けるよね。
検索すれば、いろいろ出てくるけれど、スマホで地図を見るのは苦手なので、路線図だけはコピーして手帳に挟んで来た。
京阪電車でここから5つ目に「伏見稲荷駅」がある。今や外人さん人気ナンバーワンだとか。近いし、手頃かな。


駅で降りると、結構な賑わい。参道には屋台も並び、下町のお祭りのような雰囲気もある。
お稲荷さん、キツネさん、馴染んだ光景なのかな。

ここが千本柱か・・・テレビや雑誌で見かけた。CMでもやっていた。赤い鳥居がずーっと続く。
・・・のだけど、外人さんも、浴衣姿の若いカップルも、グループも、写真を撮るのに夢中で、そこが通路だろうが、人の流れを妨げようが、眼中になし。人が団子になっている。
二年坂でもそうだったけど、撮りたいのは風景でなく、そこにいる自分なのだもの。
赤い鳥居をバックにした浴衣姿の自分を、「稲荷神社に行ってきました」とインスタグラムにあげるのだろう。

そういえば、広島で厳島神社に向かう船の中、景色など全く見ず、自撮りに夢中だったグループのはしゃぎ声がうるさかったなぁ。それも若さというのもかとも思ったけど。

私は、写真を撮る気などなくなって、山の上まで登ってみようかな、と、変な反抗心を起こす。
折りたたみの杖はバッグに入っている。30分くらいだと言うし。雨も止んだ。

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少し登っただけで、人が少なくなる。ここまでくれば、周りも静かで、思う存分撮れるのに。
そういうことはしないのか。
もっとも慣れない浴衣姿で山登りは出来ないけどね。


「インスタ映え」という言葉があるのだそうだ。確かにここは「インスタバエ」する。
「インスタ映え」のする写真を撮るために、並んで人気のお菓子を買う。見映えのする料理を作る。それはそれは上手に撮る。
旅行する、お参りをする、行けば、自撮りだ。
何か違う、と思うのは、おばさん、おばあさんの証拠かな。

ま、いいや。
それにしても思いつきで登る山のきついこと。行き交う人も滅多にいなくなった。なぜか白人系の外人さんが多い。やっと着いた、と思った神社があった所は、てっぺんではなく、そこから20分もあるのだそう。
巫女さんに、「今日は涼しいからここまで登つて来られたんですよ」と慰め?られる。
えーっ。ここからさらに20分?でも、せっかくここまで来たのだから、最後まで。
それも、明日のいい練習になる。気を取り直して、また登り始める。杖があってよかった。
途中、若い男の子のグループに遭遇したので、「もうすぐですか」と聞いてみる。
汗だくの男の子は、「まだまだ先です」だって。うへぇ。

上が見えない急な階段を何段も登る。どこまで続くんだろう。とっくに20分以上は歩いている。
さっき一緒だった外人さんと、また一緒になる。微かに「しょうがないね」とでもいうように、首をすくめたような。
まだぁ、もっと先ぃ?20分など嘘ばかり。登れば降りなくちゃならない。帰りもあるんだよね。一人でブツブツ言いながら、とにかく歩く。

と、ここ?拍子抜けするほど、普通の場所だった。見晴らしが良いわけでもなく、神々しい雰囲気があるわけでなく、普通に「末広の神様」が祀られていた。
ここは観光地でなく、信仰の山だもの、登ってくることに価値があるのだろう。
売店には、飲み物の自動販売機と、暖簾と手ぬぐいと。
いつからか登ってきているカップルの男性が「ここが頂上です」というものがあれば、売れるだろうに、何もないじゃないか、と言ったけれど。
手ぬぐいを見せてもらう。「朝夕に 願う心の届きなば 恵ぞ深き 末廣の神」。
以前あった御籤の大吉の詞が書いてあるんですよ。おじさんが説明してくれる。
青に染め抜いた山と鳥居。黒い文字の地味な手ぬぐい。「一つ頂きます。」すぐにそうやって買うから^^;

さて、帰り、5分ほど近いという別の道を下る。
知らない所に行くのは遠いけど、さっきいた所に戻るのは近い。足には下りの方がキツいけど、気分はスイスイ。
途中「おもかる石」というのがあった。願い事を三度、心から念じれば、軽々と持ち上がる石らしい。
試してみようと、三度念じたけど、ビクともしない。私の念じ方が足りないのね。 
通りかかった外人さんが、石を持ち上げようとする私を見て、「手伝いましょうか」とでも言うように近づいてくる。
私はノーノーと、横に手を振った。

あっちにもこっちにも狐さんがいる。お稲荷さんだもの当たり前。
油揚げに詰めたお寿司を「おいなりさん」というのはわかるけど、狐が、どうして油揚げが好きなのかは、わからない。
人間に狐人間と狸人間がいるなら、私は狸の方だ、とずっと思ってきたけど、狐に近づいて来てるかもね、
とか、わけのわからないことを考えながら、下る。
駅には4時を目標にいしてて、せっせと下っていたら、これから登る人もいる。大丈夫なのかな・・・

京阪に乗って東福寺で乗り換えなくても、すぐ近くのJR奈良線「稲荷駅」ならほんの二つ目なことに気がついた。
京都駅、コインロッカーの荷物を出し、ホテルまで歩く。
シャワーを浴び、さっぱりしたら、夕方からどこかに出ようとも思ってたけど、面倒になった。手軽に済ませよう。明日も早いし。
明日は。鞍馬・貴船に行くんだー。

咲いた!

キッチンで洗い物をしていたら、右の視線にピンクを感じる。
凸凹したすりガラスの右端にふわんとピンクのかたまりが。
あれ?表に出てみたら、あら!秋海棠が・・・咲いてるじゃん!

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伸びすぎた上、枝が絡まって始末に負えなくて、なんだか元気もないし。一昨年、ばさばさと切ってしまっていたのだった。

植木屋さんの手間賃もバカにならないし、頼んだって、すぐ伸びるT_T私に庭の手入れは出来ない。あーあ、と庭が重荷で憂鬱だったんだ。
中古のボロでもいいから、庭のある家が欲しい。手入れは自分でするから、と言ったくせに、さっさと亡くなってしまった夫がうらめしい。

秋海棠のこともすっかり忘れていた。
私が適当に切った木は、低くなってしまい、不格好だけれど、咲けば、やっぱり綺麗だ。鮮やかなピンクがあたりを染める。


そういえば、私のデンドロビュームも、一応咲いたんだよ。
昨年3月、みんなで苗を買い、めいめい鉢に植えたデンドロビューム。今年2月、同窓会のように10人ほどで集まり、成長ぶりを披露しあったら、同じ苗なのに、これほど違うのか、というくらい差があった。
すでに立派な花をつけていた鉢もあれば、先生に「栄養失調ですね」とからかわれて落ち込んだ男性もいた。
私のは、花芽はつけていたけれど、立派とは言い難く、まー、通知表でいえば「2」くらいなものだったかな。
植物苦手だもんね。

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それでも、蕾が膨らみ始めるとうれしいもので、自慢したくて玄関に飾ったけど、息子は見向きもしやしない。

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咲いて、もう一ヶ月。そろそろおしまいかな。
今年は、先生が作ってくれたカレンダー通り、ちゃんと水をやり、肥料も間隔守って、来年みんなで持ち寄る時は、「よく育ってるね」と言わせてみよう・・・無理かも、だけど。
(ちなみに、もともと小ぶりの品種です^0^)

年に一度の、そういう集まりも良いものです。
市の無料講習も捨てたもんじゃない。

**追記*:nn? 今検索したら、あの木は秋海棠じゃない!じゃ、なんだろう・・・桜の一種??