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藤城清治影絵展

銀座で開かれていた「藤城清治影絵展」に行ってきた。
藤城さんの影絵といえば、新聞の日曜版で毎週見慣れていたせいか、綺麗だと思うものの、あまり有り難味がなくて^^;特別な感想を持ったことがない。
それが、新聞に載っていた「ヒロシマ」の大きな作品の美しさに見とれ、急に行ってみたくなった。銀座での作品展の会期は今月15日まで。急がないと。こんなお天気の日に、予定の用事を放り出して出かけるのは気が引けるけど。

人気なんですねー。エレベーターを待っていると、影絵展目当てらしきご夫婦や女性グループがポツポツとやってくる。そう大きくない会場は、歩くのにも、ちょっぴり窮屈だ。
受付では、チケットはもうないと言う。入場料だけ払って入るらしい。変なの・・記念になりゃしない・・と思うのは私だけ?皆、大人しく入っていく。

後ろからのライトで浮かび上がる大きな影絵は、さすがだ。印刷で見るのとは大違い。ケースに鏡と水をしつらえ、何色もの光が、逆さ富士のように水辺に映るよう展示されていたものは、美しく、何度も見入ってしまう。
民話や童話の影絵は、いつか見たように懐かしい。

なにより、添えられた説明文が良い。長年続けて来られた人の文章って、なぜこんなに沁みるのだろう。特別なことが書いてあるわけじゃない。淡々と自分がしてきたこと、したことを書いているだけなのに。

奥の丸い壁の上には、自筆のメッセージが貼ってある。90歳で手術をしたこと、思うように回復しない中で、ゆっくりとデッサンをする話。高齢のご婦人が、一生懸命、ノートに言葉を書き写している。その姿に胸打たれながら、ごめんなさい、私は、ちょっとスマホで^^;

ファイル 25-1.jpg

素敵な文章。素敵なデッサン。

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会場内は、フラッシュをたかなければ、撮影OKだ。あちこちでシャッターの音が聞こえる。
レンズより、目に焼き付けよう・・・理屈では思うけれど、記憶に自信がなく、カメラの記録に頼ろうとしてしまう・・・情けなく、せっかちな私。

目的の広島原爆ドームの影絵があった。
色とりどりの千羽鶴が飛んで、光に向かうような透明な絵だ。
その隣には、長崎・山王神社の楠が。私は、こちらの方が好きかも。両手を広げたほどの、ジャンプしても届かないほどの高さがある見事な大きな絵・・・影絵、切り絵を超えている・・・ゆっくり眺めたいと思うけれど、悲しいかな、狭くて、数歩下がるのがやっと。全体を眺められる所で、後ろにコツンと当たってしまう。
それでも、会場の狭さをカバーして、斜めに通路を作ったり、沢山の作品を見せる工夫はたいしたものだと思う。

軍艦島の絵が良かった。
ファイル 25-3.jpg

私が撮ったのは色が出てない。もっと静かな色彩。
切り絵で、よくこんな海を表現できたものだと見とれてしまった。


下の階、パネルや本、絵葉書の買える売店は大賑わい。
一冊絵本を持ってレジに向かったら、まぁ、行列だこと。
買ったのは、60年前、藤城さんが初めての絵本として選んだアンデルセンのお話を、数年前、新たに筆を加え、描き下ろしたものだ。「ぶどう酒びんのふしぎな旅」。
原題は「びんの首」というらしい。それが気に入った。
あとで孫たちにあげてもいいし、なんて、自分が読みたかったくせに、すぐ言い訳をする。


銀座に行くには、有楽町線にしてる。
永田町の乗り換えにも慣れた。端から端まで歩かなくてもいいように、一番前に乗ることも覚えた。
この家に来てから、何回フォーラムに行っただろう。ほんの数回なのかもしれないのに、何度も通ったような気がして、この線に乗ると、懐かしさにツーンとする。
来年、フォーラムに行けるかな。
そしたら、また永田町で、長~いエスカレーターで乗り換えて、有楽町まで行くんだ。フォーラムに地下から行ったときの、下から眺める舟のような天井が好き。